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2016年08月

アーク税理士法人からのタックストピックス

月別アーカイブ : 2016.08

譲渡制限付株式を対価とする費用の帰属事業年度の特例制度の創設等

2016.08.30 火曜日

1. 内 容

   内国法人が個人から役務の提供を受ける場合において、その役務の提供に係る費用の額につきその対価としてその法人又はその法人との間に一定の関係がある法人の特定譲渡制限付株式が交付されたとき(承継譲渡制限付株式が交付されたときを含みます。)は、その個人においてその役務の提供につき所得税法その他所得税に関する法令の規定によりその個人の給与所得その他の一定の所得の金額に係る収入金額とすべき金額又は総収入金額に算入すべき金額を生ずべき事由(以下「給与等課税事由」といいます。)が生じた日においてその役務の提供を受けたものとして、法人税法の規定を適用することとされました。

   ただし、その個人においてその役務の提供につき給与等課税事由が生じないときは、その役務の提供を受ける法人のその役務の提供を受けたことによる費用の額又はその役務の全部若しくは一部の提供を受けられなかったことによる損失の額は、損金の額に算入されません。

 

⑴ 適用対象となる特定譲渡制限付株式

   適用対象となる特定譲渡制限付株式とは、その法人又はその法人との間に一定の関係(注1)がある法人の譲渡制限付株式(注2)であって、その役務の提供の対価としてその個人に生ずる債権の給付と引換えにその個人に交付されるものその他その個人に給付されることに伴ってその債権が消滅する場合のその譲渡制限付株式をいいます。

 

(注1) 一定の関係とは、譲渡制限付株式の交付の直前にその役務の提供を受ける法人と他の法人との間に他の法人がその役務の提供を受ける法人の発行済株式又は出資の全部を保有する関係があり、かつ、その交付の時からその譲渡制限付株式に係る譲渡制限期間((注2)イ参照)終了の時までその関係が継続することが見込まれている場合におけるその関係をいいます。

 

(注2) 譲渡制限付株式とは、次の要件に該当する株式をいいます。

イ 譲渡(担保権の設定その他の処分を含みます。)についての制限がされており、かつ、その譲渡についての制限に係る期間(譲渡制限期間といいます。以下同じです。)が設けられていること。

ロ 個人から役務の提供を受ける内国法人又はその株式を発行し、若しくはその個人に交付した法人がその株式を無償で取得することとなる一定の事由(*)が定められていること。

 

(*) 一定の事由とは、次の事由に限ります。

(イ) その株式の交付を受けた個人が譲渡制限期間内の所定の期間勤務を継続しないこと又はその個人の勤務実績が良好でないことその他のその個人の勤務の状況に基づく事由

(ロ) 上記(注2)ロに掲げる法人の業績があらかじめ定めた基準に達しないことその他のこれらの法人の業績その他の指標の状況に基づく事由

 

⑵ 適用対象となる承継譲渡制限付株式

   適用対象となる承継譲渡制限付株式とは、合併によりその合併に係る被合併法人の特定譲渡制限付株式を有する者に対し交付されるその合併に係る合併法人の譲渡制限付株式その他の一定の譲渡制限付株式をいいます。

 

⑶ 給与所得その他の一定の所得

   給与所得その他の一定の所得とは、所得税法に規定する給与所得、事業所得、退職所得及び雑所得をいいます。

 

2. 添付書類

   個人から役務の提供を受ける内国法人は、特定譲渡制限付株式の一株当たりの交付の時の価額、交付数、その事業年度において譲渡についての制限が解除された数その他その特定譲渡制限付株式又は承継譲渡制限付株式の状況に関する明細書を当該事業年度の確定申告書に添付する必要があります。

 

3. 届出要件を不要とする事前確定届出給与の追加

   内国法人がその役員に対して支給する給与のうち事前確定届出給与について、特定譲渡制限付株式(注1)及びその特定譲渡制限付株式に係る承継譲渡制限付株式による給与は、納税地の所轄税務署長への届出が不要となりました。

 

(注1) 特定譲渡制限付株式のうち、役員の職務につき株主総会等の決議(その職務の執行の開始の日から1月を経過する日までにされるものに限ります。)により所定の時期に確定額を支給する旨の定め(その決議の日から1月を経過する日までに、その職務につきその役員に生ずる債権の額に相当する特定譲渡制限付株式を交付する旨の定めに限ります。)をした場合におけるその定めに基づいて交付されるものに限ります。

 

4. 適用時期

   平成28年4月1日以後にその交付に係る決議(その決議が行われない場合には、その交付)をする特定譲渡制限付株式及び承継譲渡制限付株式について適用されます。

   また、事前確定届出給与については平成28年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税について適用されます。

 

上記内容は、平成28年8月30日現在の法令に基づき解説しております。


住宅の三世代同居対応改修工事等に係る所得税額控除の創設

2016.08.22 月曜日
  1. 概要
  2.  出産・子育ての不安や負担を軽減し、世代間の助け合いによる子育てを支援する観点から、三世代同居に対応した住宅リフォームに関して、借入金を利用してリフォームを行った場合や自己資金でリフォームを行った場合に一定の所得税額控除を行うことができる制度が導入されました。

     

  3. ローン控除の特例
  4.  個人が、その者の有する居住用の家屋について、特定多世帯同居改修工事等を含む増改築等を行った場合において、当該居住用の家屋を平成28年4月1日から平成31年6月30日までの間にその者の居住の用に供したときは、当該特定多世帯同居改修工事等を含む増改築等に係る費用に充てるために借り入れた次に掲げる住宅借入金等の年末残高(1,000万円を限度)の区分に応じ、それぞれ次に定める割合に相当する金額の合計額を所得税の額から控除できることとされました。本特例は、住宅の増改築等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除との選択適用とされ、控除期間は5年とされました(措法41の3の2、措令26の4)。

     

    イ)   特定多世帯同居改修工事等に要した費用の額から当該特定工事に係る補助金等の額を控除した金額(250万円を限度)に相当する住宅借入金等の年末残高 2%

    ロ)  イ以外の住宅借入金等の年末残高 1%

     

    ①  対象となる工事

       所有する居住用の家屋について行う、調理室、浴室、便所又は玄関のいずれかを増設する工事で、その工事費用の合計額が50万円を超えるもの。ただし、補助金の交付がある場合には控除後の金額で判断します。

       また、改修後には、調理室、浴室、便所又は玄関のうちいずれか2つ以上が複数となる改修工事で、国土交通大臣が財務大臣と協議して定める一定の証明書(以下「増改築等工事証明書」といいます。)によって証明がされたもの。

          

    ②  住宅ローンの要件

       償還期間が5年以上で三世代同居改修工事等に充てるために借り入れたもの。

     

    ③  控除金額

     

    多世帯同居改修住宅借入金等の種類 控除期間 多世帯同居改修住宅借入金等の

    年末残高限度額

    控除率 各年の控除限度額 最大控除可能額
    ①  特定多世帯同居改修住宅借入金等

    5 年

    250万円

    2.0%

    5 万円

    62.5万円

    ②  ①以外の多世帯同居改修住宅借入金

    750万円

    1.0%

    7.5万円

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    ④  証明書の添付

       本特例の適用に当たっては、住宅の品質確保の促進等に関する法律に規定する登録住宅性能評価機関、建築基準法に規定する指定確認検査機関、建築士法の規定により登録された建築士事務所に所属する建築士又は特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律の規定による指定を受けた住宅瑕疵担保責任保険法人が交付する増改築等工事証明書を確定申告書に添付する必要があります。「3税額控除の特例」において同じです。

     

    ⑤  その他の要件

       その他の要件は、改正前の住宅の増改築等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の控除額に係る特例の要件と同様です。

     

  5. 税額控除の特例

 個人が、その者の有する居住用の家屋について、多世帯同居改修工事等を行った場合において、当該居住用の家屋を平成28年4月1日から平成31年6月30日までの間にその者の居住の用に供したときは、当該個人のその居住の用に供した日の属する年分の所得税の額から、その多世帯同居改修工事等の標準的な工事費用相当額(250万円を限度)の10%に相当する金額を控除できることとされました(措法41の19の3、措令26の28の5)。

 

①  対象となる工事

   所有する居住用の家屋について行う、調理室、浴室、便所又は玄関のいずれかを増設する工事で、その工事に係る『標準的な工事費用相当額』が50万円を超えるもの。ただし、補助金の交付がある場合には控除後の金額で判断します。

   また、改修後には、調理室、浴室、便所又は玄関のうちいずれか2つ以上が複数となる改修工事で、国土交通大臣が財務大臣と協議して定める増改築等工事証明書によって証明がされたもの。

 

②  控除金額

   標準的な工事費用相当額(250万円を限度)の10%

 

③  控除年度における所得制限

   その年分の合計所得金額が3,000万円を超える場合には、その年分においては本特例の適用を受けることはできません。

 

④  その他の要件

   その年の前年以前3年内の各年分において本特例の適用を受けた者は、その年分においては本特例の適用を受けることはできません。

   また、住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除又は特定の増改築等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の控除額に係る特例の適用を受ける場合には、本特例の適用を受けることはできないこととなっています。

 

その他詳細な取り扱いにつきましては国税庁HPなどでご確認ください。

 

上記内容は、平成28年8月22日現在の法令に基づき解説しております。


特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例(セルフメディケーション税制)の創設

2016.08.01 月曜日

      医療保険各法等の規定により療養の給付として支給される薬剤との代替性が特に高い一般用医薬品等の使用を推進する観点か
    ら、居住者が平成29年1月1日から平成33年12月31日までの間に自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る特定
    一般用医薬品等購入費を支払った場合においてその居住者がその年中に健康の保持増進又は疾病の予防への取組として一定の取
    組を行っているときにおけるその年分の医療費控除については、その者の選択により、その年中に支払った特定一般用医薬品等
    購入費の金額(保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補填される部分の金額を除きます。)の合計額が1万2千円
    を超えるときは、その超える部分の金額(8万8千円を限度)を、総所得金額等から控除することが出来ることとされました。 

    《算式》
      支払った特定           本特例による  
      一般用医薬品 - 1万2千円 =  医療費控除額
      等購入費の額          (8万8千円限度)

      (注1)上記の「一定の取組」とは、法律又は法律に基づく命令に基づき行われる健康の保持増進及び疾病の予防への取組と
    厚生労働大臣が財務大臣と協議して定めるものをいいます。具体的には、いわゆる人間ドック、予防接種、定期健康診断、メタ
    ボ検診、がん検診などが該当します。 

      (注2)上記の「特定一般用医薬品等購入費」とは、その製造販売の承認の申請に際して既に承認を与えられている医薬品と
    有効成分、分量、用法、用量、効能、効果等が明らかに異なる要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療保険各法等の規定に
    より療養の給付として支給される薬剤との代替性が特に高いものとして厚生労働省が財務大臣と協議して定めるものの購入費用
    具体的には、厚生労働省のHP「対象品目一覧(平成28年6月17日時点)」をご参照ください。
    http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000127751.pdf  

      (注3)本特例の適用に当たっては、特定一般用医薬品等購入費につきこれを領収した者のその領収を証する書類(その領収
    をした金額のうち、特定一般用医薬品等購入費に該当するものの金額が明らかにされているものに限ります。)及びその居住者
    がその年中に一定の取組を行ったことを明らかにする書類(その居住者の氏名、その居住者がその取組を行った年及びその取組
    に係る事業を行った保険者の名称等の記載があるものに限ります。)を、確定申告書に添付等する必要があります。 

      (注4)この特例は、従前の医療費控除制度との選択適用とされています。 

   上記内容は、平成28年8月1日現在の法令に基づき解説しております。 


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