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2015年08月

アーク税理士法人からのタックストピックス

月別アーカイブ : 2015.08

国税庁より財産債務調書のお知らせ

2015.08.25 火曜日

(1) 概要

 国税庁は財産債務調書制度のFAQ及び通達を公表致しました。本制度は平成27年度改正において、所得税及び相続税の申告の適正化を確保する観点から、財産債務“明細書”を財産債務“調書”に名称変更し、調書の提出対象者となる基準が従来よりも限定されました。平成27年12月31日時点に保有する財産で対象となるかを判定し,対象者に該当する場合には平成28年3月15日までに調書の提出が必要となります。

 

(2) 財産債務の提出基準

   所得税等の確定申告書を提出しなければならない方で、その年分の総所得金額及び山林所得金額の合計額が2 千万円を超え、かつ、その年の12 月31 日において、その価額の合計額が3億円以上の財産又はその価額の合計額が1億円以上の国外転出特例対象財産(注)を有する方は、その財産の種類、数量及び価額並びに債務の金額その他必要な事項を記載した財産債務調書を提出しなければなりません。

 

   また、調書に記載する財産と債務の所在は国内外を問わず、事業上の売掛金や加入している生命保険契約も財産に含み、不動産賃貸業者が預かるいわゆる敷金なども債務に含まれます(Q10,Q11,Q30等)。借入金で取得した財産でも借入金を控除せず財産の3億円判定を致しますが、12月31日時点で含み損を抱える未決済のデリバティブ取引等は,他の財産価額から控除したうえで金額判定を致します(Q3,Q38)。国外転出特例対象財産の1億円判定も同様となります。

 

   国外にある財産が5,000万円超の場合に調書を提出する「国外財産調書制度」と同様に、対象者に該当するにも関わらず不提出等の場合には、調書に記載すべき財産債務に関する所得税の申告漏れが生じると、その過少申告加算税等が5%加重、提出していれば調書に記載した財産債務に関する所得税、又は相続税の過少申告加算税等が5%軽減されます(本FAQ:Q1,Q43等)。

 

(注)「国外転出特例対象財産」とは、所得税法第60 条の2第1項に規定する有価証券等並びに同条第2項に規定する未決済信用取引等及び同条第3項に規定する未決済デリバティブ取引に係る権利をいいます。

 

(3) 財産価額の算定方法

 財産の3億円判定又は国外転出特例対象財産の1億円判定は,時価又は見積価額で行います。見積価額は財産評価基本通達で定める方法を用いてよいとされており,より簡易的といえる方法も示されております(Q22,Q23)。国外財産調書における財産価額の算定方法と概ね同様の方法となっております(Q23等,取扱通達:6の2-9(新規)等)。

 

 財産債務調書と国外財産調書の両方の提出基準を満たす場合は、いずれも提出する必要があります。国外財産調書では調書に債務を記載しませんが、財産債務調書では債務も記載します。債務は12月31日時点の金額を、例えば借入金なら同日時点の元本額を記載します。連帯債務の場合は負担割合に応じて按分した金額を記載し,保証債務は記載不要となっております(Q40,Q41)。

 

国税庁HP 「財産債務調書制度のFAQ及び通達」

https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/hotei/zaisan_saimu/index.htm
 
上記内容は、平成27年8月25日現在の法令に基づき解説しております。


法人住民税均等割算定上の資本金等の額

2015.08.18 火曜日

1.改正前の概要

   法人住民税均等割の税率区分の基準となる資本金等の額は、 事業年度または連結事業年度末日現在における法人税法第2条第16号(*1)に規定する資本金等の額又は同条第17号の2(*2)に規定する連結個別資本金等の額とされてきました。

   株式を発行した場合や、自己株式の譲渡をした場合に、資本金等の額が増加する等、具体的な金額は法人税法施行令第8条に定められています。

 

(*1)法人税法第2条第16号

資本金等の額 

法人(各連結事業年度の連結所得に対する法人税を課される連結事業年度の連結法人(以下この条において「連結申告法人」という。)を除く。)が株主等から出資を受けた金額として政令で定める金額をいう。

 

(*2)法人税法第2条第17号の2

連結個別資本金等の額 

連結法人(連結申告法人に限る。)が株主等から出資を受けた金額として政令で定める金額をいう。

 

2.平成27年度の税制改正

   平成27年4月1日以後開始する事業年度の均等割の税率区分の基準となる資本金等の額については、以下の(1)および(2)の改正が行われています。

 

(1)無償増減資等の金額の加減算

   均等割の税率区分の基準となる資本金等の額について、無償増資(*1)、無償減資等による欠損塡補(*2)を行った場合には、その無償増減資等の金額を加減算して調整した金額を資本金等の額とすることとなりました。(地法23(292)①四の五)

 

(*1) 無償増資

   平成22年4月1日以後、利益準備金又はその他利益剰余金による無償増資を行った場合には、その増資額を加算した金額。

 

(*2)無償減資等による欠損塡補

・平成13年4月1日から平成18年4月30日までの間に、減資(金銭その他の資産を交付したものを除く)による欠損の塡補を行った場合及び資本準備金の減少による資本の欠損の塡補を行った場合には、欠損の塡補に充てた金額を控除した金額。

・平成18年5月1日以後に、剰余金による損失の塡補を行った場合、損失の塡補に充てた金額を控除した金額。

   この場合の控除額は、資本金の額又は資本準備金の額を減少させ、その他資本剰余金として計上してから一年以内に損失の塡補に充てた金額に限るものとする。

 

(2)資本金と資本準備金の合計額との比較

   均等割の税率区分の基準となる資本金等の額(上記(1)に該当する場合には、その調整後の金額)が会社法上の資本金と資本準備金の合計額を下回る場合には、会社法上の資本金と資本準備金の合計額を均等割の税率区分の基準とすることとなりました。(地法52④~⑥(312⑥~⑧))

 

3.資本金等の額と資本金+資本準備金との比較のイメージ  

 

(ア)   資本金等の額 (*1)> 資本金+資本準備金

      ⇓

税率区分の基準

 

(イ)  資本金等の額 (*1)<  資本金+資本準備金

                   ⇓

税率区分の基準

 

(*1)資本金等の額= 無償増資、無償減資等による欠損塡補調整後の金額

(*2)資本金等の額が自己株式の取得等により減少している場合、(イ)のケースに該当します。

 

4.予定申告

   平成27年4月1日以後に開始する最初の事業年度に係る予定申告については、改正前の規定により算定した前事業年度の末日現在の資本金等の額を用いることとする経過措置が設けられています。
 
上記内容は、平成27年8月18日現在の法令に基づき解説しております。


欠損金の繰越控除制度の見直し(控除限度額の縮減および繰越期間の延長)

2015.08.06 木曜日

1.概要
平成27年度税制改正において、法人課税の課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げる法人税改革が実施されました。その一つとして欠損金の繰越控除制度の見直しが行われ、中小法人等*以外の法人の青色欠損金及び災害損失金の控除限度額が段階的に引き下げられることとなりました。また、青色欠損金、災害損失金及び連結欠損金について、その繰越期間が9年から10年に延長されるとともに、帳簿書類保存要件における保存期間が9年から10年に延長されました。

 

*中小法人等とは、次の法人をいいます。
イ 普通法人のうち、各事業年度終了の時において資本金の額若しくは出資金の額が1億円以下であるもの又は資本若しくは出資を有しないもの(相互会社等、資本金の額等が5億円以上の法人等(大法人)の100%子法人及び100%グループ内の複数の大法人に発行済株式等の全部を保有されている法人を除く。)
ロ 公益法人等
ハ 協同組合等
二 人格のない社団等

 

2.改正の内容

⑴欠損金の控除限度額の縮減
 ①中小法人等以外の法人の青色欠損金の控除限度額が、次のとおり、段階的に引き下げられました。災害損失金についても同様とされました。
 ・平成27年4月1日から平成29年3月31日までの間に開始する事業年度・・・欠損金額控除前の所得の金額の100分の65相当額(改正前:100分の80相当額)
 ・平成29年4月1日以後に開始する事業年度・・・欠損金額控除前の所得の金額の100分の50相当額

 ※連結納税制度の場合についても同様に、中小法人等以外の法人である連結親法人の連結欠損金額の控除限度額が、段階的に引き下げられました。

 中小法人等については、現行通り、所得の金額まで控除が認められます。また、中小法人等以外の法人でも、再建中の法人や設立後間もない法人など一定の法人については、一定期間、所得の金 額まで控除が認められる特例があります。

 ②適用関係・・・法人の平成27年4月1日以後に開始する事業年度について適用されます。

 

⑵欠損金の繰越期間の延長
 ①青色欠損金、災害損失金及び連結欠損金の繰越期間が、10年(改正前:9年)に延長されました。これに伴い、帳簿書類の保存要件における保存期間が10年(改正前:9年)に延長されました。 また、法人税の欠損金額に係る更生の期間制限および更生の請求期間が10年(改正前:9年)に延長されました。

 ②適用関係・・・法人の平成29年4月1日以後に開始する事業年度において生じた欠損金額について適用し、法人の同日前に開始した事業年度に生じた欠損金額については、従前どおりとされてい ます。また、連結欠損金についても、同様とされています。

 

3.その他
上記の改正に伴い、会社更生等による債務免除等があった場合の欠損金の損金算入制度(期限切れ欠損金の損金算入制度)についても、所要の整備が行われました。

なお、具体的な取扱いにつきましては国税庁HPをご覧ください。
『平成27年度 法人税関係法令の改正の概要 -  欠損金の繰越控除制度等の見直し』
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/hojin/kaisei_gaiyo2015_5/pdf/05.pdf

 
上記内容は、平成27年8月6日現在の法令に基づき解説しております。


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