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消費税

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カテゴリーアーカイブ: 消費税

輸出物品販売場制度の見直し

2015.11.30 月曜日

1.概要

平成27年度税制改正により、輸出物品販売場制度について「手続委託型輸出物品販売場制度」と「事前承認港湾施設内における輸出物品販売場に係る届出制度」が創設されました。これらの改正は、平成27年4月1日以後に行う許可申請等及び免税対象物品の販売から適用されます。
 
2.輸出物品販売場制度とは

輸出物品販売場を経営する事業者が、外国人旅行者などの非居住者に対して、その輸出物品販売場において、通常生活の用に供する物品を一定の方法で販売する場合に、消費税が免除される制度です。なお、輸出物品販売場を開設しようとする事業者は、販売場ごとに事業者の納税地を所轄する税務署長の許可を受ける必要があります。
 
3.免税対象物品

輸出するために購入される物品のうち、通常生活の用に供する物品で、一般物品又は消耗品の区分に応じて、次の金額基準を満たすものとなります。非居住者が事業用又は販売用として購入することが明らかな物品は免税販売の対象になりません。
①一般物品(消耗品以外のもの)
同一の非居住者に対する同一店舗における1日の販売額の合計が1万円を超えるもの。
②消耗品(食品類、飲料類、薬品類、化粧品その他の消耗品)
同一の非居住者に対する同一店舗における1日の販売額の合計が5千円を超え50万円までの範囲内のもの。

 

4.手続委託型輸出物品販売場制度の創設

①手続委託型輸出物品販売場制度とは
商店街、ショッピングセンター及びテナントビルなどの特定商業施設内において、免税販売手続を、免税手続カウンターを設置する事業者に代理させることができる制度です。
なお、特定商業施設内に免税手続カウンターを設置して他の事業者が経営する販売場の免税販売手続の代理をしようとする事業者は、「承認免税手続事業者」として納税地の所轄税務署長の承認を受ける必要があります。
②承認免税手続事業者の承認要件
承認免税手続事業者(消費税の課税事業者に限ります。)として承認を受けるためには、次の要件の全てを満たしていることが必要となります。

・現に国税の滞納(その滞納額の徴収が著しく困難であるものに限る。)がないこと。
・免税手続カウンターに免税販売手続に必要な人員を配置すること。
・輸出物品販売場の許可を取り消され又は承認免税手続事業者の承認を取り消され、その取消しの日から3年を経過しない者でないことその他免税手続カウンターを設置する承認免税手続事業者として特に不適当と認められる事情がないこと。
③承認免税手続事業者の承認申請手続
次の書類を添付して申請することとなります。

・「設置しようとする免税手続カウンター」及び「免税手続カウンターを設置しようとする特定商業施設」の見取図。
・免税販売手続に関する事務手続の概要を明らかにした書類(免税販売手続マニュアルなど)。
・特定商業施設に該当することを証する書類。
・その他参考となる書類(申請者の事業内容が確認できる資料・免税販売手続を行う人員の配置状況が確認できる資料・免税手続カウンターにおいて作成する購入記録票のサンプル等)。
④免税手続カウンターにおける手続等の特例
一の承認免税手続事業者が免税販売手続を行う一の特定商業施設に所在する複数の手続委託型輸出物品販売場において同一の日に同一の非居住者に対して譲渡する一般物品の対価の額(税抜価額)の合計額と消耗品の対価の額(税抜価額)をそれぞれ合計している場合には、当該複数の手続委託型輸出物品販売場を一の販売場とみなして、免税販売の対象となる下限額を超えるかどうかを判定できます。
なお、承認免税手続事業者は、免税販売手続の代理を行う手続委託型輸出物品販売場ごとに購入記録票を作成し、各手続委託型輸出物品販売場の販売額の合計により免税販売の対象となる下限額を超えたことなどについての記録を保存しなければなりません。

 

5.事前承認港湾施設内における輸出物品販売場に係る届出制度の創設
事前承認港湾施設内における輸出物品販売場に係る届出制度とは、外航クルーズ船等(注1)が寄港する港湾の港湾施設内に、場所及び期限を定めて設置する臨時販売場(注2)について、次の①から③の要件の全てを満たす場合には、その販売場を輸出物品販売場とみなして免税販売を行うことができる制度です。

① 臨時販売場を設置しようとする事業者は、輸出物品販売場を経営する事業者であること。
② 臨時販売場を設置する見込みの港湾施設について、納税地の所轄税務署長の承認を受けていること。
③ 臨時販売場を設置する日の前日までに、臨時販売場を設置する旨の届出書を納税地の所轄税務署長に提出していること。

(注1)外航クルーズ船等とは、国内及び国内以外の地域にわたって行われる旅客の輸送の用に供される船舶をいいます。
(注2)臨時販売場とは、国内及び国内以外の地域にわたって行われる旅客の輸送の用に供される船舶に乗船する旅客に対して物品を譲渡するために期間を定めて設置する販売場をいいます。

上記内容は、平成27年11月30日現在の法令に基づき解説をしております。

 


国境を越えた役務の提供に対する消費税の課税の見直し

2015.07.02 木曜日

   国内外の事業者間における競争条件の公平性を確保する観点から、所得税法等の一部を改正する法律(平成27年法律第9号)等により、消費税法等の一部が改正され、国境を越えて行われるデジタルコンテンツの配信等の役務の提供に係る消費税の課税関係の見直しが行われました。

 

1.「電気通信利用役務の提供」と内外判定基準の見直し
   電子書籍・音楽・広告の配信などの電気通信回線(インターネット等)を介して行われる役務の提供を「電気通信利用役務の提供」と位置付け、その役務の提供が消費税の課税対象となる国内取引に該当するかどうかの判定基準が以下のように改正されました。

 

改正前

改正後

役務の提供を行う者の役務の提供に係る事務所等の所在地 役務の提供を受ける者の住所等(個人の場合には住所又は居所、法人の場合には本店又は主たる事務所の所在地をいいます。)

 

2.課税方式の見直し等(「リバースチャージ方式」の導入)

(1)課税方式の見直し

   内外判定基準の見直しに伴い、「電気通信利用役務の提供」について、当該役務の提供を行った者が国外事業者である場合には、課税方式が以下のようになりました。

 

種類 事業者向け電気通信利用役務の提供※ 消費者向け電気通信利用役務の提供
課税方式 リバースチャージ方式 国外事業者申告納税方式
内容 役務の提供を受けた国内事業者に申告納税義務を課す方式(対象取引例:広告の配信) 「事業者向け電気通信利用役務の提供」以外のものについて、国外事業者に申告納税義務を課す方式(対象取引例:電子書籍・音楽の配信)

 

※  「事業者向け電気通信利用役務の提供」とは、国外事業者が行う電気通信利用役務の提供のうち、「役務の性質又は当該役務の提供に係る取引条件等から当該役務の提供を受ける者が通常事業者に限られるもの」をいいます。

 

(2)リバースチャージ方式による申告

   国内において国外事業者から受けた「事業者向け電気通信利用役務の提供」及び「特定役務の提供」※を「特定課税仕入れ」といい、「特定課税仕入れ」がリバースチャージ方式による申告の対象となります。

 

※  「特定役務の提供」とは、国外事業者が行う映画若しくは演劇の俳優、音楽家その他の芸能人又は職業運動家の役務の提供を主たる内容とする事業として行う役務の提供のうち、「国外事業者が他の事業者に対して行う役務の提供(不特定かつ多数の者に対して行う役務の提供を除く。)」をいいます。

 

3.国外事業者から受けた消費者向け電気通信利用役務の提供に係る仕入税額控除の制限
   国外事業者から「消費者向け電気通信利用役務の提供」を受けた場合には、経過措置により、当分の間、当該役務の提供に係る課税仕入れについて仕入税額控除を制限することとされました。

   ただし、当該役務の提供を行った国外事業者が登録国外事業者である場合には、当該登録国外事業者から受けた「消費者向け電気通信利用役務の提供」に係る課税仕入れについて仕入税額控除を行うことができることとされました。

 

※  「消費者向け電気通信利用役務の提供」については、当該役務の提供を行った事業者が申告・納税を行うこととなります。

 

4.登録国外事業者制度の創設
   上記のとおり、国外事業者から「消費者向け電気通信利用役務の提供」を受けた場合には、当該役務の提供を受けた国内事業者の仕入税額控除が制限されますが、登録国外事業者から提供を受けるものについては仕入税額控除の対象となります。

   登録国外事業者の氏名又は名称、住所又は本店所在地、登録番号等は、登録手続が終了次第、順次、国税庁ホームページで公表することとされていますので、取引の相手先である国外事業者が登録国外事業者に該当するかどうかについては、国税庁ホームページでご確認ください。

 

5.適用開始時期
   1~3.の改正は、平成27年10月1日以後行う課税資産の譲渡等及び課税仕入れから適用されます。

   4の登録国外事業者の登録申請は、平成27年7月1日から行うことができます。

 

6.見直しに伴う経過措置等
(1)事業者免税点制度に関する経過措置

   平成27年10月1日を含む課税期間(改正前の法律に基づき計算した課税売上高により事業者免税点制度の適用がある課税期間に限ります。)及び、同日の翌日以後に開始する課税期間における基準期間又は特定期間の課税売上高の計算に当たっては、既に当該改正による内外判定基準の見直しが行われていたものとして計算することとされています。

   電気通信利用役務の提供を行っていた事業者であって、基準期間又は特定期間の初日が平成27年9月30日以前である場合で、例えば、日本の居住者に対する販売金額を区分していなかったなど、その基準期間等における課税売上高を計算することにつき困難な事情がある場合には、平成27年4月1日から同年6月30日までの期間における課税売上高に、4を乗じた金額を基準期間における課税売上高とし、2を乗じた金額を特定期間における課税売上高とすることができることとされています。

 

(2)継続的電気通信利用役務の提供を行っていた場合の経過措置

   国外事業者が平成27年3月31日までに締結した電気通信利用役務の提供で、平成27年10月1日前から同日以後引き続き行う電気通信利用役務の提供については、改正前の消費税法が適用されます。また、この経過措置が適用される事業者向け電気通信利用役務の提供を受けた国内事業者は「特定課税仕入れ」として、リバースチャージ方式による申告・納税を行う必要はありません。

 

(3)リバースチャージ方式に関する経過措置

   「事業者向け電気通信利用役務の提供」等の特定課税仕入れを行った国内事業者は、当該特定課税仕入れについて、申告・納税の義務が課されるとともに、当該特定課税仕入れについて、仕入税額控除の対象とすることができますが、一般課税で申告を行う事業者においては、当該課税期間における課税売上割合が95%以上である事業者、当該課税期間について簡易課税制度が適用される事業者については、当分の間、特定課税仕入れはなかったものとされます。したがって、これら事業者は、特定課税仕入れを行ったとしても、その課税期間の消費税の確定申告については、特定課税仕入れについて申告等に含める必要はありません。

 

   なお、具体的な取扱いにつきましては、国税庁の下記HP(国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税の見直し等について)をご覧ください。

(国税庁HP:http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/shohi/cross/01.htm
 
上記内容は、平成27年7月2日現在の法令に基づき解説しております。


課税売上割合の計算方法に係る見直し(平成26年度税制改正)

2014.09.01 月曜日

1.内容
 平成26年度税制改正では、平成26年4月1日以後に行われる、消費税法施行令第9条第1項第4号に規定する金銭債権の譲渡(同令第48条第2項第2号の規定を受ける金銭債権の譲渡を除く)については、課税売上割合の計算上、有価証券の譲渡と同様に、その譲渡対価の5%相当額を資産の譲渡等の対価の額(分母)に算入されることとなりました。
 この改正により、金銭債権の譲渡を行う事業者においては、課税売上割合が高くなり、結果として、仕入税額控除の対象となる課税仕入れ等に係る税額が増加することになります。(消費税法施行令第48条第5項)

 

2、具体例

例①
当社は、A社に貸付金100万円を譲渡し、代金として95万円を現金で受け取った。
※取引日:平成26年4月30日

(借方)現       金 95  (貸方)貸付金(非)100
    貸付金譲渡損(不)5

この場合、貸付金譲渡対価95万円×5%が課税売上割合の計算上、資産の譲渡等の対価の額(分母)に計上されます。

 

例②
当社は、A社に商品を販売した売掛金100万円をB社に譲渡し、代金として95万円を現金で受け取った。
※取引日:平成26年4月30日

(借方)現       金 95  (貸方)売掛金(非)100
    売掛金譲渡損(不)5

 この場合、売掛金の譲渡対価(95万円)は、有価証券に類するものの譲渡として非課税となりますが、消費税法施行令第48条第2項第2号、消費税法施行令第48条第5項の規定により、課税売上割合の計算上、資産の譲渡等の対価の額(分母)に計上されません。

 

3、消費税法施行令第9条第1項第4号に規定する金銭債権は、次の通りです。
 貸付金、預金、売掛金その他の金銭債権

 

4、消費税法施行令第48条第2項第2号の内容は、次の通りです。
 消費税法施行令第9条第1項第4号に掲げる金銭債権のうち資産の譲渡等を行った者が当該資産のうち資産の譲渡等の対価として取得したものの譲渡
 
上記内容は、平成26年9月1日現在の法令に基づき解説しております。


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