2026.01.17
税務・会計コラム

■令和8年度税制改正大綱

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令和7年12月19日、政府与党(自由民主党・日本維新の会)は「令和8年度税制改正大綱」を公表しました。
本大綱は、家計の負担軽減と企業の成長投資促進を両立させつつ、税制の公平性・持続可能性を高めることを基本方針としています。
以下では、企業および個人に影響の大きい主要な論点を整理します。
なお、本大綱の内容は、今後の国会審議を経て法案成立の過程で一部変更される可能性があります。
 
◆個人所得課税
①基礎控除・給与所得控除の引上げ
 物価上昇局面に対応し、物価上昇に連動して基礎控除および給与所得控除を引き上げる仕組みを創設。
②住宅ローン控除の延長・拡充
 住宅ローン減税の適用期間を令和12年まで延長し、中古住宅に対する優遇措置も拡充。
③NISA制度の拡充
 つみたて投資枠に限り、口座開設可能年齢の制限を撤廃。
 18歳未満でも口座開設が可能となる。(年間投資枠60万円・非課税保有限度額600万円)
④暗号資産(仮想通貨)の課税ルール整理
 暗号資産取引に関する税制を明確化し、損失の繰越控除制度などの導入を検討。
 
◆法人課税
①中小企業者等の少額減価償却資産の特例上限引上げ
 特例の対象となる取得価額の基準を現行30万円未満から40万円未満へ引き上げ(年間合計300万円枠は据え置き)。
②「特定生産性向上設備等投資促進税制」の創設
 大規模かつ高付加価値の設備投資について、即時償却または税額控除(最大7%)を選択可能。
③研究開発税制の見直し
 戦略技術領域型を新設(AI、量子、半導体、バイオ等)。控除率は最大50%。
④賃上げ促進税制の縮小・廃止
 大企業向けは廃止、中堅企業は期限付きで継続、中小企業は現行制度を維持。
 
◆消費税
①インボイス発行事業者に関する経過措置(2割特例)の見直し
 個人事業者のみ令和10年まで延長(3割特例へ移行)。法人は令和8年9月で終了。
②インボイスを発行しない事業者からの仕入税額控除に関する経過措置の見直し
 経過措置の控除割合を段階的に引き下げ。上限額は1事業者あたり年間10億円から1億円へ縮小。
 
◆その他
①貸付用不動産の税務評価の見直し
②「防衛特別所得税(仮称)」の創設
 国防強化を目的とした特別所得税(仮称)の創設案が検討段階として示されており、令和9年以降の実施が想定されている。