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2015年09月

アーク税理士法人からのタックストピックス

月別アーカイブ : 2015.09

ふるさと納税制度の見直し

2015.09.29 火曜日

1.概要
 平成27年度税制改正では、地方創生を推進する観点から、ふるさと納税の一層の活用を促進するため、特別控除額の上限を個人住民税所得割の1割から2割に引き上げることになりました。
 また、平成27年4月1日以後に支出する寄附金について、マイナンバー制度を活用した手続の簡素化を行うまでの当分の間の特例として、ふるさと納税のワンストップ特例制度(確定申告不要制度)が創設されました。この改正は、平成28年度以後の個人住民税から適用されます。
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国外転出時課税制度の創設

2015.09.09 水曜日

1.概要

平成27度税制改正により、国外転出時課税制度が創設され、平成27年7月1日以後に国外転出(国内に住所及び居所を有しないこととなることをいいます)をする一定の居住者が1億円以上の対象資産を所有等している場合には、その対象資産の含み益に所得税及び復興特別所得税が課税されることとなりました。国外転出時課税の対象となる方は、所得税の確定申告等の手続を行う必要があります。また、一定の場合は、納税猶予制度や税額を減額するなどの措置を受けることができますが、いずれの措置も国外転出までに納税管理人の届出書を所轄税務署に提出するなどの手続が必須となりますので、ご注意ください。
また、1億円以上の対象資産を所有等している一定の居住者から、国外に居住する親族等へ贈与、相続又は遺贈によりその対象資産の一部又は全部の移転があった場合にも、贈与、相続又は遺贈の対象となった資産の含み益に所得税及び復興特別所得税が課税されることとなりました。

 

2.国外転出時課税の対象者

国外転出時において、(1)及び(2)のいずれにも該当する居住者が、国外転出時課税の対象者となります。
(1)所有等している対象資産の価額の合計が1億円以上であること。
(2)原則として国外転出をする日前10年以内において国内に5年を超えて住所又は居所を有していること。

 

3.対象資産

有価証券(株式、投資信託等(注1))、匿名組合契約の出資の持分、未決済の信用取引・発行日取引・デリバティブ取引が国外転出時課税の対象資産となります。
対象資産については、含み益があるかどうかにかかわらず、全ての対象資産の価額の合計額が1億円以上となるかを判定します。また、譲渡による所得が非課税となる国債、地方債等の公社債(注1)、NISA口座内の有価証券や国外で所有等している対象資産についても、国外転出時課税制度の対象資産として1億円以上となるかの判定に含める必要があります。

(注1)国債、地方債等の一定の公社債等の譲渡による所得も、平成28年1月1日から課税対象となります。

 

4.申告納税手続等

(1)国外転出までに納税管理人の届出がある場合
国外転出時の価額で対象資産の譲渡等があったものとみなして、翌年の確定申告期限までに確定申告書を納税地の所轄税務署長に提出する必要があります。国外転出の時までに「納税管理人の届出書」を提出した方は、一定の要件の下、国外転出時課税の適用により納付することとなった所得税について、国外転出の日から5年を経過する日まで納税が猶予されます(詳しくは、下記5をご参照ください)。

(2) 国外転出までに納税管理人の届出がない場合
国外転出予定日から起算して3か月前の価額で対象資産の譲渡等があったものとみなして、国外転出までに確定申告書を納税地の所轄税務署長に提出する必要があります。(注2)
(注2)国外転出後に納税管理人の届出をし、申告をするときは、国外転出時の価額で対象資産の含み益について譲渡所得等の申告をする必要があります。この場合には、原則として納税猶予の適用はありません。

 

5.納税猶予の特例を受けるための手続

国外転出の時までに「納税管理人の届出書」を提出した方は、一定の要件の下、国外転出時課税の適用により納付することとなった所得税について、国外転出の日から5年を経過する日まで納税が猶予されます。
確定申告期限までに、「国外転出をする場合の譲渡所得等の特例等に係る納税猶予分の所得税及び復興特別所得税の額の計算書」その他一定の書類を添付した確定申告書を提出し、かつ、納税猶予分の所得税額及び利子税額に相当する担保を提供する必要があります。
納税猶予期間中は、各年12月31日において所有等している適用資産(注3)について、適用資産の種類、名称、銘柄別の数量などを記載した「継続適用届出書」を、同日の属する年の翌年3月15日までに、所轄税務署に提出する必要があります。提出期限までに継続適用届出書の提出がなかった場合は、その期限から4か月を経過する日に納税猶予期限が確定し、納税が猶予されていた所得税及び利子税を納付することとなります。
なお、国外転出の日から5年を経過する日までに、「延長届出書」を所轄税務署に提出することにより、納税猶予期限を5年延長することができます。延長後の納税猶予期限は国外転出の日から10年を経過する日となります。

(注3)納税猶予の特例の適用を受けている対象資産をいいます。

 

6.各種減額措置等(納税猶予の特例の適用を受けていることが条件となっていないもの)

国外転出の日から5年を経過する日(納税猶予の特例の適用を受け期限延長をしている場合は10年を経過する日)までに、次に掲げる場合に該当するときは、帰国の時まで引き続き所有等している対象資産又は贈与、相続若しくは遺贈により移転した対象資産について、国外転出時課税の適用がなかったものとして、国外転出をした年分の所得税を再計算することができます。このためには、帰国などをした日から4か月以内に更正の請求をする必要があります。
(1)帰国(国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて1年以上居所を有することとなることをいいます)をした場合
(2)対象資産を居住者に贈与した場合
(3)国外転出時課税の申告をした方が亡くなり、その国外転出の時において有していた対象資産を相続(限定承認に係るものを除きます)又は遺贈(包括遺贈のうち限定承認に係るものを除きます)により取得した相続人及び受遺者の全員が居住者となった場合
ただし、対象資産の所得の計算につき、その計算の基礎となるべき事実の全部又は一部について、隠蔽又は仮装があった場合には、その隠蔽又は仮装があった事実に基づく所得については、課税取消しは認められません。

 

7.各種減額措置等(納税猶予の特例の適用を受けていることが条件となっているもの)

納税猶予の特例の適用を受けている方が、次に掲げる場合に該当するときは、次の減額措置等を受けることができます。

 

国外転出後の状況

減額措置等

必要な手続

譲渡、決済又は限定相続等した際の適用資産の譲渡価額等が国外転出の時よりも下落している場合 譲渡、決済又は限定相続等した際の譲渡価額等で国外転出の時に譲渡等があったものとみなして、国外転出時課税により課された所得税を再計算することができます。 譲渡、決済又は限定相続等の日から4か月以内に更正の請求をする必要があります。

納税猶予期間の満了日(国外転出の日から5年又は10年を経過する日)の適用資産の価額が国外転出の時よりも下落している場合 納税猶予期間の満了日の価額で国外転出の時に譲渡等があったものとみなして、国外転出時課税により課された所得税を再計算することができます。 納税猶予期間の満了日から4か月以内に更正の請求をする必要があります。

譲渡、決済又は限定相続等したときに、国外転出先の国の外国所得税と二重課税が生じる場合 外国税額控除を適用することができます。 外国所得税を納付することとなる日から4か月以内に更正の請求をする必要があります。

 

8.国外に居住する親族等へ対象資産の贈与等を行う場合

平成27年7月1日以後、贈与者(原則として贈与の日前10年以内において国内に5年を超えて住所又は居所を有している者で、かつ、贈与時において対象資産(上記3をご参照ください)を1億円以上所有等している者に限ります)が、国外に居住する親族等へ対象資産の全部又は一部の贈与を行うときは、贈与者が贈与時において、贈与対象資産を譲渡等したものとみなし、贈与対象資産の含み益に所得税が課税されることとなりました。
また、国外に居住する相続人等が、被相続人(原則として相続開始日前10年以内において国内に5年を超えて住所又は居所を有している者で、かつ、相続開始時において対象資産を1億円以上所有等している者に限ります)から、相続又は遺贈により、対象資産の全部又は一部を取得するときも、被相続人が相続開始時に相続対象資産を譲渡等したものとみなし、相続対象資産の含み益に所得税が課税されることとなりました。
それぞれの対象となる方は、所得税の確定申告(相続又は遺贈の場合は準確定申告)等の手続を行う必要があります。

 
上記内容は、平成27年9月9日現在の法令に基づき解説しております。


受取配当等の益金不算入制度の改正

2015.09.09 水曜日

平成27年4月1日以後に開始する事業年度から益金不算入の対象となる株式等の区分及びその配当等の額の益金不算入割合が次のように改正されました。

 

改正前

改正後

株式等の区分

保有割合

益金不算入額

株式等の区分

持株割合

益金不算入額

完全子法人株式等

100

100

完全子法人株式等

100

100

関係法人株式等

25%以上

100%未満

100

負債利子控除

関連法人株式等

1/3

100%未満

100

負債利子控除

その他の株式等

5%

1/3以下

50

上記以外の株式等

25%未満

50%(負債利子控除)

非支配目的株式等

5%未満

20

 
(用語の意義)
①完全子法人株式等とは、配当等の額の計算期間を通じて内国法人との間に完全支配関係があった他の内国法人の株式又は出資を言います。
②関連法人株式等とは、内国法人が他の内国法人の発行済株式等の総数又は総額の3分の1を超える数又は金額の当該他の内国法人の株式等を、その内国法人が当該他の内国法人から受ける配当等の額の計算期間の初日からその計算期間の末日まで引き続き有している場合における当該他の内国法人の株式等(完全子法人株式等を除きます)を言います。
③その他の株式等とは、完全子法人株式等、関連法人株式等及び非支配目的株式等のいずれにも該当しない株式等を言います。
④非支配目的株式等とは、内国法人が他の内国法人の発行済株式等の総数又は総額の100分の5以下に相当する数又は金額の当該他の内国法人の株式等を、その内国法人が当該他の内国法人から受ける配当等の額の支払に係る基準日(配当等の額が資本の払戻し以外のみなし配当事由によるものである場合にはその支払に係る効力発生日の前日)において有する場合における当該他の内国法人の株式等(完全子法人株式等を除きます)及び特定株式投資信託の受益権を言います。
 
負債利子がある場合の控除計算の対象となる株式等が、関連法人株式等に限定されております。また、簡便法における基準年度が平成27年4月1日から平成29年3月31日までの間に開始した各事業年度とされております。
 
上記内容は、平成27年9月9日現在の法令に基づき解説しております。


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