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2015年07月

アーク税理士法人からのタックストピックス

月別アーカイブ : 2015.07

美術品等の減価償却についての改正

2015.07.16 木曜日

1.改正の内容
   平成27年1月1日以後取得する美術品等について、取得価額が1点100万円未満である美術品等は原則として「減価償却資産」に該当し、取得価額が1点100万円以上である美術品等は原則として「非減価償却資産」に該当するものとして取り扱われることとなりました。

 

美術品等の取得価額

改正前

改正後

取得価額が100万円未満

非減価償却資産

減価償却資産*1

取得価額が100万円以上

非減価償却資産

非減価償却資産*2

 

*1 取得価額が1点100万円未満の美術品等であっても、「時の経過によりその価値が減少しないことが明らかなもの」は、減価償却資産に該当しないものと取り扱われます。具体的には、次に掲げる美術品等が該当します。
古美術品、古文書、出土品、遺物等のように歴史的価値又は希少価値を有し、代替性のないもの

 

*2 取得価額が100万円以上である美術品等であっても、「時の経過によりその価値が減少することが明らかなもの」は減価償却資産に該当するものして取り扱うことが可能となります。例として次の①から③のすべてを満たす美術品等が該当します。また、この例に該当しない美術品等の場合、下記①から③を参考にして、その美術品の実態を踏まえて判断することとなります。
①会館のロビーや葬祭場のホールのような不特定多数の者が利用する場所の装飾用や展示用(有料で公開するものを除く。)として取得されるもの
②移設することが困難で当該用途にのみ使用されることが明らかなもの
③他の用途に転用すると仮定した場合にその設置状況や使用状況から見て美術品等としての市場価値が見込まれないもの

 

2.平成27年1月1日より前に取得した美術品等の取扱い

   今回の通達改正は過去に遡って資産区分の変更を行うものではありませんので、改正後の通達の取扱いにより資産区分を減価償却資産へ変更する美術品等については、平成27年1月1日以後最初に開始する事業年度(以下「適用初年度」といいます。)から減価償却を行うことになります。

 

①償却方法

   その美術品を実際に取得した日に応じた償却方法(旧定額法、旧定率法、定額法、250%定率法又は200%定率法)を原則として、取得日を適用初度開始の日とみなすこととして定額法又は200%定率法を選択することが出来ます。また、中小企業者等にあっては租税特別措置法第67条の5(中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例)の規定を適用することもできます(経過的取扱い)。

  

美術品等の取得日

原則的取扱い

適用初年度開始の日に取得したものとみなす場合

平成19.3.31以前 旧定額法又は旧定率法

定額法又は200%定率法(措法675も適用可)

平成19.4.1~平成24.3.31 定額法又は250%定率法
平成24.4.1以後 定額法又は200%定率法

 

 

②平成27年1月1日により前に取得した美術品等については、耐令第3条第1項に規定する中古資産の耐用年数は適用できません。

   平成2711日より前に取得した美術品等の償却方法は上記①のとおりとなります。したがって、改正後の通達の取扱いにより資産区分が変更となる美術品等については、その取得日を実際の取得日か適用初年度開始の日のいずれかにより選択し、減価償却を行うこととなりますので、耐令第3条第1項に規定する中古資産の耐用年数は適用できません。

 

③平成2711日より前に取得した美術品等について、適用初年度において、減価償却資産の再判定を行わなかった場合、その後の事業年度において減価償却はできません。

   平成2711日より前に取得した美術品等であっても、適用初年度に減価償却資産に該当するかの再判定を行い、減価償却資産に該当することとなった美術品等に限り、その適用初年度以後の事業年度において減価償却を行うことができるとしたものなので、適用初年度において減価償却資産の再判定を行わなかった美術品等については、従前の取扱いのとおり、減価償却を行うことはできないことになります。

 

3.絵画や彫刻などの美術品等で減価償却資産に該当するものの法定耐用年数
   減価償却資産に該当する美術品等の法定耐用年数は、それぞれの美術品等の構造や材質等に応じて、耐令の別表第一に掲げる区分に従って判定することとなります。例えば、その美術品等が「器具及び備品」の室内装飾品に該当する場合には、次のとおりとなります(法令13、耐令別表第一)。

  ①室内装飾品のうち主として金属製のもの   ・・・・・・・15

   例えば、金属製の彫刻

  ②室内装飾品のうちその他のもの       ・・・・・・・ 8

例えば、絵画・陶磁器・彫刻(主として金属製のもの以外のもの)

 
上記内容は、平成27年7月16日現在の法令に基づき解説しております。


国境を越えた役務の提供に対する消費税の課税の見直し

2015.07.02 木曜日

   国内外の事業者間における競争条件の公平性を確保する観点から、所得税法等の一部を改正する法律(平成27年法律第9号)等により、消費税法等の一部が改正され、国境を越えて行われるデジタルコンテンツの配信等の役務の提供に係る消費税の課税関係の見直しが行われました。

 

1.「電気通信利用役務の提供」と内外判定基準の見直し
   電子書籍・音楽・広告の配信などの電気通信回線(インターネット等)を介して行われる役務の提供を「電気通信利用役務の提供」と位置付け、その役務の提供が消費税の課税対象となる国内取引に該当するかどうかの判定基準が以下のように改正されました。

 

改正前

改正後

役務の提供を行う者の役務の提供に係る事務所等の所在地 役務の提供を受ける者の住所等(個人の場合には住所又は居所、法人の場合には本店又は主たる事務所の所在地をいいます。)

 

2.課税方式の見直し等(「リバースチャージ方式」の導入)

(1)課税方式の見直し

   内外判定基準の見直しに伴い、「電気通信利用役務の提供」について、当該役務の提供を行った者が国外事業者である場合には、課税方式が以下のようになりました。

 

種類 事業者向け電気通信利用役務の提供※ 消費者向け電気通信利用役務の提供
課税方式 リバースチャージ方式 国外事業者申告納税方式
内容 役務の提供を受けた国内事業者に申告納税義務を課す方式(対象取引例:広告の配信) 「事業者向け電気通信利用役務の提供」以外のものについて、国外事業者に申告納税義務を課す方式(対象取引例:電子書籍・音楽の配信)

 

※  「事業者向け電気通信利用役務の提供」とは、国外事業者が行う電気通信利用役務の提供のうち、「役務の性質又は当該役務の提供に係る取引条件等から当該役務の提供を受ける者が通常事業者に限られるもの」をいいます。

 

(2)リバースチャージ方式による申告

   国内において国外事業者から受けた「事業者向け電気通信利用役務の提供」及び「特定役務の提供」※を「特定課税仕入れ」といい、「特定課税仕入れ」がリバースチャージ方式による申告の対象となります。

 

※  「特定役務の提供」とは、国外事業者が行う映画若しくは演劇の俳優、音楽家その他の芸能人又は職業運動家の役務の提供を主たる内容とする事業として行う役務の提供のうち、「国外事業者が他の事業者に対して行う役務の提供(不特定かつ多数の者に対して行う役務の提供を除く。)」をいいます。

 

3.国外事業者から受けた消費者向け電気通信利用役務の提供に係る仕入税額控除の制限
   国外事業者から「消費者向け電気通信利用役務の提供」を受けた場合には、経過措置により、当分の間、当該役務の提供に係る課税仕入れについて仕入税額控除を制限することとされました。

   ただし、当該役務の提供を行った国外事業者が登録国外事業者である場合には、当該登録国外事業者から受けた「消費者向け電気通信利用役務の提供」に係る課税仕入れについて仕入税額控除を行うことができることとされました。

 

※  「消費者向け電気通信利用役務の提供」については、当該役務の提供を行った事業者が申告・納税を行うこととなります。

 

4.登録国外事業者制度の創設
   上記のとおり、国外事業者から「消費者向け電気通信利用役務の提供」を受けた場合には、当該役務の提供を受けた国内事業者の仕入税額控除が制限されますが、登録国外事業者から提供を受けるものについては仕入税額控除の対象となります。

   登録国外事業者の氏名又は名称、住所又は本店所在地、登録番号等は、登録手続が終了次第、順次、国税庁ホームページで公表することとされていますので、取引の相手先である国外事業者が登録国外事業者に該当するかどうかについては、国税庁ホームページでご確認ください。

 

5.適用開始時期
   1~3.の改正は、平成27年10月1日以後行う課税資産の譲渡等及び課税仕入れから適用されます。

   4の登録国外事業者の登録申請は、平成27年7月1日から行うことができます。

 

6.見直しに伴う経過措置等
(1)事業者免税点制度に関する経過措置

   平成27年10月1日を含む課税期間(改正前の法律に基づき計算した課税売上高により事業者免税点制度の適用がある課税期間に限ります。)及び、同日の翌日以後に開始する課税期間における基準期間又は特定期間の課税売上高の計算に当たっては、既に当該改正による内外判定基準の見直しが行われていたものとして計算することとされています。

   電気通信利用役務の提供を行っていた事業者であって、基準期間又は特定期間の初日が平成27年9月30日以前である場合で、例えば、日本の居住者に対する販売金額を区分していなかったなど、その基準期間等における課税売上高を計算することにつき困難な事情がある場合には、平成27年4月1日から同年6月30日までの期間における課税売上高に、4を乗じた金額を基準期間における課税売上高とし、2を乗じた金額を特定期間における課税売上高とすることができることとされています。

 

(2)継続的電気通信利用役務の提供を行っていた場合の経過措置

   国外事業者が平成27年3月31日までに締結した電気通信利用役務の提供で、平成27年10月1日前から同日以後引き続き行う電気通信利用役務の提供については、改正前の消費税法が適用されます。また、この経過措置が適用される事業者向け電気通信利用役務の提供を受けた国内事業者は「特定課税仕入れ」として、リバースチャージ方式による申告・納税を行う必要はありません。

 

(3)リバースチャージ方式に関する経過措置

   「事業者向け電気通信利用役務の提供」等の特定課税仕入れを行った国内事業者は、当該特定課税仕入れについて、申告・納税の義務が課されるとともに、当該特定課税仕入れについて、仕入税額控除の対象とすることができますが、一般課税で申告を行う事業者においては、当該課税期間における課税売上割合が95%以上である事業者、当該課税期間について簡易課税制度が適用される事業者については、当分の間、特定課税仕入れはなかったものとされます。したがって、これら事業者は、特定課税仕入れを行ったとしても、その課税期間の消費税の確定申告については、特定課税仕入れについて申告等に含める必要はありません。

 

   なお、具体的な取扱いにつきましては、国税庁の下記HP(国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税の見直し等について)をご覧ください。

(国税庁HP:http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/shohi/cross/01.htm
 
上記内容は、平成27年7月2日現在の法令に基づき解説しております。


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