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2014年06月

アーク税理士法人からのタックストピックス

月別アーカイブ : 2014.06

交際費等の額のうち接待飲食費の50%相当額の損金算入について

2014.06.30 月曜日

1.概要

 

 平成26年度税制改正により、法人が支出する交際費等の額のうち接待飲食費の額の50%相当額は損金の額に算入することとされました。(1人当たり5,000 円以下の飲食費で書類の保存要件を満たしているものについては、従前どおり、交際費等に該当しません。)

 

 なお、改正前における交際費等の損金不算入制度は、次の通りとなります。

① 中小法人以外の法人…支出する交際費等の全額が損金不算入

② 中小法人(※)………………支出する交際費等の額のうち年800万円(以下「定額

  控除限度額」といいます。)を超える部分の金額が損金不算入

 

※中小法人とは

 事業年度終了の日における資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人をいい、普通法人のうち事業年度終了の日における資本金の額又は出資金の額が5億円以上の法人などの一定の法人による完全支配関係がある子法人等を除きます。

 

 

2.適用年度

 

平成2641日以後に開始する事業年度から適用されます。

  

3.接待飲食費の範囲

 

 交際費等のうち飲食その他これに類する行為のために要する費用(専らその法人の役員若しくは従業員又はこれらの親族に対する接待等のために支出するものを除きます。以下「飲食費」といいます。)であって、法人税法上で整理・保存が義務付けられている帳簿書類に次の事項を記載することにより飲食費であることが明らかにされているものをいいます。

 

① 飲食費に係る飲食等(飲食その他これに類する行為をいいます。以下同じ。)のあった年月

② 飲食費に係る飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名又は名称及

 びその関係

③ 飲食費の額並びにその飲食店、料理店等の名称(店舗を有しないことその他の理由によりその

 名称が明らかでないときは、領収書等に記載された支払先の氏名又は名称)及びその所在地(店

 舗を有しないことその他の理由によりその所在地が明らかでないときは、領収書等に記載された

 支払先の住所若しくは居所又は本店若しくは主たる事務所の所在地)

④ その他飲食費であることを明らかにするために必要な事項

 

 

4.中小法人の選択適用

 

 中小法人については接待飲食費の額の50相当額の損金算入と、従前どおりの定額控除限度額までの損金算入のいずれかを選択適用することができます。

定額控除限度額までの損金算入を適用するかどうかは、各事業年度ごとに選択することができ、確定申告書、中間申告書、修正申告書又は更正請求書に添付する別表15(交際費等の損金算入に関する明細書)において、いずれかの方法により損金算入額を計算し、申告等の手続きを行うことになります。

 

 なお、具体的な接待飲食費に関する取扱いは国税庁の下記HPをご覧ください。

(国税庁HPhttps://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/hojin/settai_faq/01.htm
 
上記内容は、平成26年6月30日現在の法令に基づき解説しております。


東京地裁 相続人名義の預貯金は相続財産に該当

2014.06.30 月曜日

. 事案の概要

  相続人名義の預貯金について、被相続人と相続人の間で生前贈与する旨の贈与契約が成立していたか否かを巡り争われた事件で、東京地方裁判所は425日、生前贈与した事実は認められず、相続人名義の預貯金は被相続人の財産に帰属するとして、原告の主張を棄却する旨の判断を行いました(平成25年(行ウ)第104号・係属中)。

 

  本件は,弁護士である原告Xが、他の親族らとともに被相続人から相続した財産について相続税の申告を行ったものの、申告した相続財産のうち原告名義の預貯金については、生前贈与を受けたものであるとして更正の請求を行ったところ、税務当局が更正をすべき理由がない旨の通知処分を行ったことで争われました。

  争点は、被相続人と原告との間で、原告名義の預貯金について、生前に贈与する旨の贈与契約が成立していたか否かであります。

 

~被相続人の財産に帰属する相続人名義の預貯金の判定~

  相続人名義の預貯金が被相続人の相続財産に該当するか否かについては、相続税法や通達において、その判定基準や要件は規定されておりません。そのため、実務上は過去の判決で示されたように、預貯金口座の購入原資の出捐者(しゅつえんしゃ)や口座開設の意思決定・手続を行った者、預貯金口座の管理及び運用の状況(通帳や証書,印鑑の保管場所等),贈与契約書の有無などを総合考慮して判定されており、本件においても、これらを前提として東京地裁の判断が行われております。

 

2.東京地裁の判断

  東京地裁は、以下の理由により、被相続人から原告Xに対して、原告名義の預貯金を生前贈与したとは認められないため、被相続人の相続財産に該当すると判断致しました。

認定事実を総合考慮すれば贈与契約は成立していない

  東京地裁は、原告Xが、「被相続人が原告に対して,毎年,贈与税の非課税枠の限度額の範囲内で贈与する旨約したことで、贈与契約が成立し、原告名義の預貯金口座に預入れが行われたことで贈与が履行された」などの主張について検討するため、まず、認定事実を整理しました。

 

<主な認定事実>

・原告名義の預貯金への預入金額は、毎年、贈与税の基礎控除額の範囲内で預け入れられておりました。

・原告名義の預貯金口座の一部解約に伴い、解約済預貯金を原告に対して現金で交付しておりました。

・原告は被相続人から届出印の返還を受け所持しておりいました。

・原告名義の預貯金口座は、いずれも、被相続人が自らの財産を原資として開設しておりました。

・被相続人は、原告名義の預貯金口座に係る一部の解約金を自己の口座に入金し、同口座の資金を土地の購入資金に充て、被相続人名義で土地を取得しておりました。

・被相続人は、原告に対して届出印を返還したが、預貯金に係る証書を自ら保管しておりました。

 

被相続人が預貯金証書を保存し、解約金も自ら使用

  東京地裁は、上記の認定事実に加え、預貯金を贈与する旨の書面が作成されていないことも勘案すれば、被相続人は、相続対策として、毎年、贈与税の非課税限度額内で、原告ら親族の名義で預貯金の預入れを行っていたものの、預貯金の証書は自ら保管して原告らに交付せず、被相続人自身に具体的な資金需要が生じた際に、必要に応じてこれを解約し、被相続人自ら使用することを予定していたというべきであると指摘されました。

  よって、被相続人は、預金口座の開設時やその後の預入れ当時、その預入金額を原告らに贈与するという確定的な意思があったとまでは認められないというべきであるとした。

 

  本件で東京地裁は被相続人が相続税対策として、毎年、贈与税の基礎控除額の範囲内で相続人名義の預貯金口座に預入れを行っていた事実は認めたものの、その他の事実を総合考慮した結果、被相続人の相続財産に該当すると判断致しました。


老人ホームに入所した場合の小規模宅地等の特例

2014.06.30 月曜日

1.概要
平成25年度税制改正では相続税・贈与税の大幅な見直しが行われ、相続税の基礎控除等の改正は平成27年1月1日以後適用されますが、小規模宅地等の特例の見直しのうち、老人ホームに入所して空き家になった場合の緩和措置と二世帯住宅の取扱い明確化は本年1月1日以後の相続から適用となります。

 

2.平成25年度の税制改正
(1) 内容
平成25年度税制改正法では、被相続人等の居住の用に供されていた宅地等で、一定の事由により相続開始の直前において被相続人の居住の用に供することができないものを特定居住用宅地等として特例の対象に加えることとされました( 措法69の4 ①)。
(2) 適用要件
① 介護のために入居したものであること( 措令40の2 ②)
② 貸付けなど他の者の居住の用に供した事実がないこと( 措令40の2③)

*以下2要件は不要となりました。
・空き家はいつでも生活できるように維持管理されていること
・所有権又は終身利用権を取得していないこと

 

3. 平成26年1月以後の被相続人等の居住用宅地等の範囲の考え方
(H25.12.6改正通達)
(1) 施設入所時における居住の要件
①被相続人等の居住の用に供されていた宅地等とする前提条件は同じです。( 措通69の4-7 (1))。
②介護の必要のために老人ホームに入所したことにより、被相続人の居住の用に供されなくなる直前まで、被相続人等の居住の用に供されていた家屋の敷地の用に供されていた宅地等であることが要件として追加されたため、その居住の用に供されなくなった後に、新たにその宅地等を事業の用又は被相続人等以外の者の居住の用にされた宅地等が除かれます( 措通69の4-7 (2))。

*被相続人が老人ホームに入所する前に共に起居していた留守を預かる親族が、当該宅地等の所有継続及び居住継続要件を満たすならば、同居親族(同一生計親族の要件を満たす場合も含みます。)として特定居住用宅地等の対象となります( 措法69の4③二 イハ等)。

(2) 被相続人が二世帯住宅を出て老人ホームに入所した場合
①平成25年度税制改正では,二世帯住宅が区分所有建物として登記されている場合に、被相続人の居住部分に居住する親族のみ同居要件を満たす旨が政令で明記されました( 措令40の2 ④括弧書き等)。
②今回の改正通達の注意書きにおいても、区分所有建物として登記されていない二世帯住宅で、被相続人等の居住の用に供されていた部分にはその親族の居住の用に供されていた宅地等の部分が含まれることが示されました。( 措通69の4-7 (注))。
すなわち、被相続人が二世帯住宅を出て老人ホームに入所した後、その被相続人の相続開始の直前において要介護等認定を受けているなど一定要件を満たす場合( 措通69の4-7の2 等)、被相続人の居住の用に供されていた宅地等とその親族の居住の用 に供されていた宅地等を含めた全体について、被相続人等の居住の用に供されていた宅地等として特定居住用宅地等の適用対象となります。


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