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2014年02月

アーク税理士法人からのタックストピックス

月別アーカイブ : 2014.02

特定新規設立法人の納税義務の免除の特例

2014.02.14 金曜日

1.制度の概要

   その事業年度の基準期間がない法人で、その事業年度開始の日における資本金の額又は出資の金額が1,000万円未満の法人(新規設立法人)のうち、次の①、②のいずれにも該当するもの(特定新規設立法人)については、その特定新規設立法人の基準期間のない事業年度に含まれる各課税期間における課税資産の譲渡等について納税義務が免除されないこととされました。平成26年4月1日以後に設立される特定新規設立法人からこの規定が適用されます。

 

①    その基準期間がない事業年度開始の日において、他の者により当該新規設立法人の株式等の50%超を直接又は間接に保有される場合など、他の者により当該新規設立法人が支配される一定の場合(特定要件)に該当すること。

 

②    上記①の特定要件に該当するかどうかの判定の基礎となった他の者及び当該他の者と一定の特殊な関係にある法人のうちいずれかの者(判定対象者)の当該新規設立法人の当該事業年度の基準期間に相当する期間における課税売上高が5億円を超えていること。

 

 

2.改正の背景

   消費税においては、小規模事業者の事務負担等に配慮して、その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下である事業者については納税義務を免除する事業者免税点制度が設けられています。(注)このため新たに設立された法人については基準期間が存在しないことから、設立1期目及び2期目は原則として免税事業者になることとなります。

   また、その事業年度の基準期間がない法人のうち、その事業年度開始の日における資本金の額又は出資の金額が1,000万円以上である法人についてはその基準期間がない事業年度における課税資産の譲渡等について納税義務を免除しないこととする特例が設けられています。(消法12の2①)

   しかしながら、現行の事業者免税点制度の不適切な利用による租税回避が行われていたことなどを踏まえ、基準期間のない事業年度開始の日において資本金の額又は出資の金額が1,000万円未満の新設法人であっても、一定の大規模事業者等が設立した法人については納税義務が免除されないこととされました。

 

(注)平成25年1月1日以後開始する年又は事業年度については、その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下であっても特定期間における課税売上高が1,000万円を超えた場合、当課税期間から課税事業者になることとされています。なお、特定期間における1,000万円の判定は課税売上高に代えて、給与等支払額の合計額により判定することもできます。詳しくは国税庁HPなどでご確認ください。

 

 

3.改正の内容

   その事業年度の基準期間がない法人(消法12の2①に規定する新設法人その他一定の法人を除く。以下「新規設立法人」という。)のうち、その基準期間がない事業年度開始の日において特定要件に該当し、かつ、新規設立法人が特定要件に該当する旨の判定の基礎となった他の者及びその他の者と特殊な関係にある法人のうちいずれかの者の課税売上高(新規設立法人のその事業年度の基準期間に相当する期間における課税売上高)が5億円を超えるもの(以下「特定新規設立法人」という。)については、その特定新規設立法人の基準期間がない事業年度に含まれる各課税期間における課税資産の譲渡等については事業者免税点制度を適用しないこととされました。(消法12の3①)

 

(1) 特定要件に該当する場合

   特定新規設立法人に該当するかどうかを判定するための特定要件とは、その事業年度開始の日において他の者により新規設立法人の発行済株式又は出資(その新規設立法人が有する自己の株式又は出資を除く)の50%超の株式又は出資が直接又は間接に保有される場合その他の他の者により新規設立法人が支配される場合をいいます。

    

   この「他の者により新規設立法人が支配される場合」とは、次に掲げる場合のいずれかに該当する場合になります。(消令25の2)

 

①    他の者が新規設立法人の発行済株式又は出資(その有する自己の株式又は出資を除く。以下「発行済株式等」という。)の総数又は総額の100分の50を超える数又は金額の株式又は出資を有する場合。

 

②    他の者及び次に掲げる者が新規設立法人の発行済株式等の総数又は総額の100分の50を超える数又は金額の株式又は出資を有する場合。

イ)   他の者の親族等

ロ)   他の者(他の者が個人である場合には、イに掲げる当該他の者の親族等を含む。 以下ハ及びニにおいて同じ。)が他の法人を完全に支配している場合における当該他の法人

ハ)   他の者及びロに規定する関係のある法人が他の法人を完全に支配している場合における当該他の法人

ニ)   他の者並びにこれとロ及びハに規定する関係のある法人が他の法人を完全に支配している場合における当該他の法人

 

③    他の者及び②イからニまでに規定する関係のある者が、新規設立法人の一定の議決権(行使することができない株主等が有する議決権を除きます。)の総数の100分の50を超える数を有する場合。

 

④    他の者及び②イからニまでに規定する関係のある者が、新規設立法人の株主等(持分会社の社員に限ります。)の過半数を占める場合。

 

(2) 特定要件の判定の時期

   特定新規設立法人の納税義務の免除の特例(消法12の3①)の規定の適用があるかどうかを判定する場合において、同項に規定する新規設立法人が特定要件に該当するかどうかは、その基準期間がない事業年度開始の日の現況により判定します。

 

 

4.適用開始時期

   平成26年4月1日以後に設立される新規設立法人から適用されます。

 

 

5.届出書の提出

   基準期間がない事業年度開始の日において資本金1,000万円以上の法人に該当することとなった場合には、その旨を記載した届出書を所轄税務署長に提出することとされていますが、本特例により特定新規設立法人に該当することとなった場合にも同様に、その旨を記載した届出書を所轄税務署長に提出することとされています。

 

 

   その他、取扱いの詳細については政令などにより規定されておりますので、関係法令をご確認いただくか、あるいは税理士等の専門家にご相談のうえ慎重にご判断いただきますようお願いいたします。


平成26年4月1日より領収証等の印紙税の非課税範囲が拡大されます(消費税率の引き上げとともに注意が必要です)

2014.02.14 金曜日

1.概要

   平成25年度税制改正において印紙税法の一部が改正され、平成26年4月1日以降に作成される領収証等(金銭又は有価証券の受取書(※))に係る印紙税の非課税範囲が3万円未満から5万円未満へ拡大されます。

   周知の通り平成26年4月1日より消費税率が8%に引上げられますが、そちらにばかり気を取られがちですが、この印紙税改正についてもあらためて注意が必要です。

 

(※)「金銭又は有価証券の受取書」とは、金銭又は有価証券を受領した者が、その受領事実を証明するために作成し、その引渡者に交付する証拠証書をいいます。

  したがって、「領収証」「領収書」「受取書」や「レシート」はもちろんのこと、金銭又は有価証券の受領事実を証明するために請求書や納品書などに「代済」「相済」「了」などと記入したもの、さらに、「お買上票」などと称するもので、その作成目的が金銭又は有価証券の受領事実を証するものであるときは、金銭又は有価証券の受取書に該当します。

 

 

2.印紙税と消費税の関係

   印紙税法の取扱いでは、一定の文書(※)について、消費税及び地方消費税の金額(以下「消費税額等」という。)が区分記載されている場合又は税込価格及び税抜価格が記載されていることによりその取引にあたって課されるべき消費税額等が明らかとなる場合には、その消費税額等の金額は記載金額に含めないこととされています。

 

(※)一定の文書とは、「不動産の譲渡等に関する契約書(第1号文書)」、「請負に関する契約書(第2号文書)」、「金銭又は有価証券の受取書(第17号文書)」の3点です。

 

 記載金額が5万円未満とされる場合の記載例(本体価格¥49,000 消費税率8%の場合)

①    商品代¥52,920 税抜価格¥49,000 消費税等¥3,920

②    商品代¥52,920 うち消費税¥3,920

③    商品代¥49,000 消費税等¥3,920 合計¥52,920

④    商品代¥52,920 税抜価格¥49,000

 

 

3.その他

   今回の改正により、本来収入印紙を貼付する必要のない領収証等にまで貼付をしてしまうことが予想されます。印紙税法では、納付の必要がない文書に誤って貼ってしまった場合や定められた金額を超えた収入印紙を貼ってしまった場合には、所轄税務署長に過誤納の還付を請求する手続きがありますが、「過誤納となった文書の原本の提示」つまり取引の相手方に交付した領収証等の原本の提示が必要となりますので、収入印紙を貼る際には誤りのないようにご注意ください。

 

   「金銭又は有価証券の受取書」にかかる非課税範囲の拡大とともに「不動産譲渡契約書」及び「建築工事請負契約書」にかかる軽減措置の延長及び拡充も行われています。


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