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2013年10月

アーク税理士法人からのタックストピックス

月別アーカイブ : 2013.10

総額表示義務の特例措置

2013.10.31 木曜日

1.概要

   国税庁は10月3日,「総額表示義務の特例措置に関する事例集(税抜価格のみを表示する場合などの具体的事例)」を公表しました。

   平成25年9月10日財務省より、消費税法第63条に規定する総額表示義務の特例である、消費税転嫁対策特別措置法第10条第1項の適用要件である誤認防止措置の考え方については、既に明確にされているところです。

   今回の事例集では、商品によって店内の値札に税込表示と税抜表示がある場合や,旧税率と新税率がある場合など,いくつかの具体例で誤認防止措置として適当といえる表示例を示しています。

 

① 総額表示義務
消費税法第63条において、
「事業者は、不特定かつ多数の者に課税資産の譲渡等を行う場合において、あらかじめ課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の価格を表示するときは、当該資産又は役務に係る消費税額及び地方消費税額の合計額に相当する額を含めた価格を表示しなければならない。」
とされております。

 

② 総額表示義務に関する消費税法の特例措置

平成25年6月5日に「消費税転嫁対策特別措置法」(平成25年10月1日施行)が成立し、

同法第10条において、

「事業者は、自己の供給する商品又は役務の価格を表示する場合において、今次の消費税率引上げに際し、消費税の円滑かつ適正な転嫁のため必要があるときは、現に表示する価格が税込価格であると誤認されないための措置を講じているときに限り、同法第63条の規定にかかわらず、税込価格を表示することを要しない。

2 前項の規定により税込価格を表示しない事業者は、できるだけ速やかに、税込価格を表示するよう努めなければならない。」

とされました。

 

(参考URL:http://www.cao.go.jp/tenkataisaku/pdf/jyoubun.pdf

 

③ 総額表示義務の特例の適用を受けるために必要となる「誤認防止措置」
   消費者が商品等の選択を行う際の価格表示に関する誤認を防止するために行うものですので、誤認防止措置としての表示は、消費者が商品等を選択する際に、明瞭に認識できる方法で行う必要があります。

 

2. 税抜価格と税込価格が混在する表示例

   店内の一部の商品等について、税抜価格のみの表示を行う場合には、どの商品等の価格が税抜価格のみの表示になっているのかを明らかにする必要があります。

   税抜価格の商品を陳列する商品棚と税込価格の商品を陳列する商品棚を区分して、それぞれの商品棚において、消費者が商品を選択する際に目に付きやすい場所に、明瞭に、それぞれ次のような掲示を行います。

 

【税抜表示の棚の掲示例】

この商品棚に陳列してある商品は全て税抜表示です。消費税分はレジにて別途精算させていただきます。

 

【税込表示の棚の掲示例】

この商品棚に陳列してある商品は全て税込表示です。

 

   また、店内のどの商品が税抜価格の商品であるのか個々の値札等で明示する場合の留意点としては、値札などで

 

○○○円(税抜)

 ←税抜表示の商品の値札

 

○○○円

     ←税込(総額)表示の商品の値札

 

と表示し、別途、店内の消費者が商品等を選択する際に目に付きやすい場所に、明瞭に、次のような表示を行うことが、消費者の方の利便性にも資するものと考えられます。

 

当店では、税込表示の商品と税抜表示の商品があります。税抜価格の商品につきましては、値札に『税抜』と表示しています。

 

3. 新旧税率に基づく税込価格が混在する表示例

① 新税率適用後も、旧税率に基づく税込価格の表示が残る場合

   値札の貼り替えが間に合わない等の事情により、新税率の適用後においても一時的に、一部の商品等について、旧税率に基づく税込価格の表示が残る場合もあると考えられます。
   このような場合には、どの商品等の価格が旧税率又は新税率に基づく税込価格の表示になっているのかを明らかにする必要があります。例えば、どの商品が、旧税率又は新税率に基づく税込価格表示であるか、その計算に用いた税率を値札や棚札に記載して区分します。

 

○○○円

 

○○○円(8%)

 

   別途、店内の消費者が商品等を選択する際に目に付きやすい場所に、明瞭に、次のような掲示を行います。

 

値札に、税率表記のない商品は、旧税率に基づく税込価格ですので、レジにてあらためて新税率(8%)に基づき精算させていただきます。また、値札に、(8%)と記載しているものは新税率に基づく税込価格です。

 

値札に(8%)の表記がない商品は、旧税率(5%)に基づく税込価格です。4月1日以後は、レジにて新税率(8%)に基づき精算させていただきます。

 

②新税率適用前から、一部の商品について新税率に基づく税込価格の表示を行う場合
   消費税率の引上げ前においても、値札の貼り替えが間に合わない等の事情により、値札等の変更を徐々に行う場合など、一部の商品について、前もって新税率に基づく税込価格の表示を行う場合もあると考えられます。
   このような場合には、どの商品等の価格が旧税率又は新税率に基づく税込価格の表示になっているのかを明らかにする必要があります。
   例えば、どの商品が、旧税率又は新税率に基づく価格表示であるか、値札や棚札の色で区分します。

 

5%に基づく税込価格の商品  ○○○円

 ←これまでの値札等(白色)

 

8%に基づく税込価格の商品  ○○○円

 ←青色の値札等

 

   別途、店内の消費者が商品等を選択する際に目に付きやすい場所に、明瞭に、次のような掲示を行います。

 

青色の棚札の商品は、あらかじめ新税率(8%)に基づく税込価格で表示している商品です。レジにて5%の税率により精算させていただきます。

 

青色の値札の商品は、既に、新税率(8%)に基づく税込価格で表示していますので、レジにて5%の税率により精算させていただきます。
※ 白色の値札の商品は5%の税率に基づく総額表示です。

 

(参考URL:http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/shohi/kaisei/pdf/sogakuhyojigimu.pdf


消費税率引上げの正式決定及び民間投資活性化等のための税制改正大綱

2013.10.31 木曜日
  1. 消費税率引き上げの正式決定
  2.    安倍首相は10月1日,現行5%の消費税率を平成26年4月1日に8%へ引き上げることを表明致しました。また、政府は税制抜本改革法附則18条等の景気条項に基づき経済状況等を総合勘案した結果、法律どおり実施することを確認し、17年ぶりの税率引上げに伴いまして、与党の「民間投資活性化等のための税制改正大綱」に基づいて5兆円規模の経済対策を盛り込んだ「消費税率及び地方消費税率の引上げとそれに伴う対応について」を閣議決定致しました。

     

    参考HP

     「消費税率及び地方消費税率の引上げとそれに伴う対応について」

       http://www.mof.go.jp/comprehensive_reform/shouhizei.htm

    「民間投資活性化等のための税制改正大綱」

       http://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/syotokukakudaisokushin/131001zeiseikaisei-taikou.pdf

     

  3. 民間投資活性化等のための税制改正大綱の具体的内容
  4. 生産性向上設備投資促進税制の創設

       産業競争力強化法(仮称)の施行日から平成29年3月31日までに,先端設備,生産ラインやオペレーションの改善に資する設備等の取得等をした場合には,特別償却(即時償却)又は税額控除ができることとなります。

     

    ※ 平成26年3月31日以前に終了する事業年度の投資分については、平成26年4月1日を含む事業年度において相当額の償却又は税額控除ができます。

     

    ②   研究開発税制の拡充

       研究開発税制の上乗せ措置(増加型・高水準型)の適用期限を平成29年3月31日までに開始する事業年度まで3年間延長致します。

       現行の増加型の5%を税額控除できる制度については、増加試験研究費の額が比較試験研究費の額の5%を 超え、かつ、試験研究費の額が基準試験研究費の額を超える場合には、増加試験研究費の額に30%(増加割合が30%未満の場合には増加割合)を乗じて計算した金額の税額控除ができることとなります。

     

    ③   中小企業の投資活性化策

    (イ)   中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例の適用期限を2年間延長致します。

    (ロ)   中小企業投資促進税制の適用期限を平成29年3月31日まで3年間延長致します。

       産業競争力強化法(仮称)の施行日から平成29年3月31日までに取得等した特定機械装置等が生産性向上設備投資促進税制の対象設備等である場合には、即時償却又は7%(資本金3,000万円以下の中小企業者等は10%)の税額控除ができることとなります。

     

    ※ 平成26年4月1日前に終了する事業年度において産業競争力強化法(仮称)の施行日から平成26年3月31日までの間に生産性向上設備等に該当するものの取得等をした場合には、平成26年4月1日を含む事業年度において,特別償却相当額又は税額控除相当額の償却又は繰越控除ができることとなります。

     

    ④   ベンチャー投資促進税制の創設

       産業競争力強化法(仮称)の施行日から平成29年3月31日までの間に同法に基づく認定を受けた投資事業 有限責任組合に係る契約を締結している法人(有限責任組合員に限り,適格機関投資家である場合には、出資予定額が2億円以上であるものに限る)が,同組合に出資をし、新事業開拓事業者(仮称)の株式等を取得した場合に,新事業開拓事業者投資損失準備金(その株式等の帳簿価額の80%を限度)を積み立てたときは、の積立金額を損金算入することとなります。準備金は,積み立てた事業年度の翌事業年度に全額を取り崩し、益金算入することとなります。

     

    ⑤   創業促進のための登録免許税の負担軽減措置の創設

       産業競争力強化法(仮称)の施行日から平成28年3月31日までの間に新たに株式会社を設立する場合に、株式会社の設立登記に対する登録免許税の税率を1,000分の3.5(最低税額7万5,000円)に軽減することとなります。

     

    ⑥   事業再編促進税制の創設

       産業競争力強化法(仮称)の施行日から平成29年3月31日までに同法に基づく認定を受けた法人が積立期 間内に,特定事業再編(仮称)に係る特定会社(仮称)の特定株式等を取得する場合において,特定事業再編投資損失準備金(特定株式等の取得価額の70%を限度)を積み立てたときは、その積立金額を損金算入。準備金は積立期間終了後、5年間で均等額を取り崩し、益金算入することとなります。

     

    ※ 平成26年4月1日以後に終了する事業年度について適用となります。平成26年4月1日前に終了する事業年度において産業競争力強化法の施行日から平成26年3月31日までの間に特定株式等の取得をした場合には、平成26年4月1日を含む事業年度に準備金積立相当額を損金算入できることとなります。

     

    ⑦ 事業再編等に係る登録免許税の税率の軽減措置の創設

       産業競争力強化法(仮称)に基づき,事業者が事業再編や中小企業の事業再生に係る計画を作成し、同法の施行日から平成28年3月31日までの間に主務大臣の認定を受けた場合に、計画に基づき行う株式会社の設立や不動産の取得等について登録免許税の負担を軽減することとなります。

     

    ⑧ 既存建築物の耐震改修投資促進税制の創設

       耐震改修促進法の耐震診断結果の報告を平成27年3月31日までに行った事業者が、平成26年4月1日から報告を行った日以後5年を経過する日までに、耐震改修対象建築物の部分について行う耐震改修により取得し、又は建設したその耐震改修対象建築物の部分については、取得価額の25%の特別償却ができることとなります。

     

  5. 所得拡大促進税制の拡充では平成25年度分も適用可
  6.    今回の民間投資活性化等のための税制改正大綱では,平成25年度税制改正で創設された「所得拡大税制」の適用期限の2年間延長と拡充が行われました。

       3要件のうちの1つである現行5%以上の雇用者給与等支給増加割合については、

    ①   平成27年4月1日前に開始する適用年度は2%以上。

    ②   平成27年4月1日から平成28年3月31日までの間に開始する適用年度は3%以上。

    ③   平成28年4月1日から平成30年3月31日までの間に開始する適用年度は5%以上に緩和致しました。

       また、平均給与等支給額に係る要件については、平均給与等支給額及び比較平均給与等支給額の計算の基礎となる国内雇用者に対する給与等を「継続雇用者に対する給与等」に見直したうえで、平均給与等支給額が比較平均給与等支給額を上回ること(改正前「以上であること」)に変更致しました。

       なお、同改正は平成26年4月1日以後に終了する適用年度について適用致します。

     

  7. 経済対策では簡素な給付措置や住宅取得給付も
  8.    政府は消費税率の引上げによる反動減を緩和し、デフレ脱却と経済再生に向けた経済政策パッケージを示した「消費税率引上げにあたっての対応」では、簡素な給付措置として市町村民税非課税者2,400万人に1万円を支給し、65歳以上の老齢基礎年金の受給者等に5,000円を加算することとなります。また、住宅取得等に係る給付措置として都道府県所得割額9万3,800円以下の住宅購入者に予定通り10~30万円を給付し、東日本大震災の被災者の住宅再建に係る給付措置を実施することとする。なお、車体課税の見直しが税制改正大綱とともに明記さました。

       今回の消費税率8%引上げ決定後,平成27年10月に予定される消費税率10%への引上げについては「改めて(税制抜本改革法)附則18条に則って経済状況等を総合的に勘案して、判断時期も含めて適切に判断」(安倍首相)される見通となりました。

       また、税制改正大綱では,政府・与党で議論されていた復興特別法人税については1年前倒しでの廃止について検討し「12月中に結論を得る」と明記し、法人実効税率のあり方については「今後,速やかに検討を開始する」と致しました。


住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除

2013.10.04 金曜日
  1. 住宅ローン減税の適用期限の延長と拡充
  2.    平成25年度の税制改正では、消費税率の引上げに伴う住宅対策の一環として以下のように住宅ローン減税の拡充が行われています。

       平成25年末で終了予定であった住宅ローン減税が平成29年12月31日まで4年間延長されることとなり、一般住宅の場合には、現行の最大控除額が200万円から400万円と2倍に引き上げられます。(認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅の場合には300万円から500万円に拡充されています。)

     

    (1)一般住宅の場合

    居住年

    借入限度額

    控除率

    各年の控除限度額

    最大控除額

    (10年間)

    平成26年

    1月~3月

    2,000万円

    1.0%

    20万円

    200万円

    平成26年4月

    平成29年12月

    4,000万円

    1.0%

    40万円

    400万円

     

    (2)認定住宅(認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅の場合)

    居住年

    借入限度額

    控除率

    各年の控除限度額

    最大控除額

    (10年間)

    平成26年

    1月~3月

    3,000万円

    1.0%

    30万円

    300万円

    平成26年4月

    平成29年12月

    5,000万円

    1.0%

    50万円

    500万円

     

    (3)東日本大震災の被災者の住宅ローン減税

    居住年

    借入限度額

    控除率

    各年の控除限度額

    最大控除額

    (10年間)

    平成26年

    1月~3月

    3,000万円

    1.2%

    36万円

    360万円

    平成26年4月

    平成29年12月

    5,000万円

    1.2%

    60万円

    600万円

    (注)この特例に関しては、再建住宅を居住の用に供した日に基づいて適用されます。

     

       気をつけなければならないのは拡充された住宅ローン減税は消費税率が8%(または10%)で購入された場合(特定取得といいます)に適用されるということです。消費税の経過措置を適用して消費税率5%で住宅を購入した場合には、たとえ平成26年4月以降に住宅の引渡しを受け居住を開始したとしても拡充された住宅ローン減税は適用されず、改正前の住宅ローン減税が適用されることとなります。

     

    [参考] 住宅購入に関する消費税の経過措置

       消費税が平成26年4月から8%に引き上げられることとなりました。(平成27年10月からは10%に引き上げることが予定されています。)このため、住宅を購入した場合には、原則として平成26年4月以降の引渡しであれば消費税は新税率である8%の税率が適用されることとなりますが、平成25年9月30日までになされた一定の住宅の工事請負契約等については経過措置が設けられており、この経過措置が適用される場合には平成26年4月以降の引渡しであっても消費税率は旧税率の5%が適用されることとなります。

       その他、経過措置の詳細については、国税庁の経過措置の取扱いをご参照下さい。

    (国税庁HP:http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/shohi/kaisei/pdf/2191.pdf

     

  3. 住民税からの控除限度額の拡充

   住宅ローン減税は所得税から控除しきれなかった場合、翌年度の住民税から控除することができます。現行では控除限度額は所得税の課税総所得金額等の5%で最大9万7500円までとなっていますが、この限度額についても所得税の課税総所得金額等の7%で最大13万6500円までと拡充されています。住民税の住宅ローン控除も所得税と同様、消費税率8%(または10%)が適用される場合(東日本大震災の被災者等に係る住宅借入金等を有する場合も含みます)に限度額が拡充されることとなります。

 

居住年

控除限度額

平成26年1月~3月

所得税の課税総所得金額等×5%

       (最高97,500円)

平成26年4月~平成29年12月

所得税の課税総所得金額等×7

       (最高136,500円)

 

   この他にも自己資金により特定の耐震改修をした場合の特別控除や特定のバリアフリー改修工事、一定の省エネ改修工事を行った場合の税額控除など、上記以外にも住宅税制に関する改正がありますので、詳しくは国税庁HPなどでご確認ください。


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