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消費税

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カテゴリーアーカイブ: 消費税

簡易課税制度のみなし仕入率の見直し

2018.12.07 金曜日

1. 改正前の制度の概要

簡易課税制度は、中小事業者の納税事務負担に配慮する観点から、事業者の選択により、売上げに係る消費税額を基礎として仕入れに係る消費税額を算出することができることとされている制度です。具体的には、その納税地の所轄税務署長に「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出した課税事業者は、その基準期間(原則として、個人事業者は 前々年、法人は前々事業年度)における課税売上高が5千万円以下の課税期間について、売上げに係る消費税額に、事業の種類の区分に応じて定められたみなし仕入率を乗じて算出した金額を仕入れに係る消費税額とみなし、売上げに係る消費税額から控除できることとされています(消費税法37条)。みなし仕入率を適用する業種区分及びみなし仕入率は、以下のとおりとされています(消費税法施行令57条)。

 

業種区分

みなし仕入率

第1種事業 (卸売業)

90%

第2種事業 (小売業)

80%

第3種事業 (農業、林業、漁業、鉱業、建設業、製造業、電気業、ガス業、熱供給業及び水道業)

70%

第4種事業 (第1種事業、第2種事業、第3種事業、第5種事業及び第6種事業以外の事業)

60%

第5種事業 (運輸通信業、金融業及び保険業、サービス業(飲食店業に該当するものを除く))

50%

第6種事業 (不動産業)

40%

 

2. 改正の背景

軽減税率の対象となる飲食料品を生産する農林水産業については、売上げは軽減税率(8%)が適用されるのに対し、仕入れは種子や肥料、農機具など、その大部分について標準税率が適用されます。こうした農林水産業について簡易課税制度を適用すれば、仕入れに係る消費税額が実態と比べて過少に算出されることとなります。

 

3. 改正の内容

消費税の軽減税率の対象となる飲食料品を生産する農林水産業については、その軽減税率の対象となる飲食料品の譲渡を行う部分に限って、第2種事業(改正前:第3種事業)に位置付けることとし、そのみなし仕入率は80%(改正前:70%)とすることとされました。 

 

4. 適用にあたっての注意点

上記改正は、平成31年10月1日の属する課税期間から適用することとされています。

ただし、平成31年9月30日以前は、軽減税率が適用される飲食料品の譲渡を行うことがないため、その課税期間のうち9月30日までの期間について第2種事業に該当する飲食料品の譲渡が発生することはないことに注意が必要です。

 


事業者向け電気通信利用役務の提供を受けた場合の内外判定基準の見直し

2016.09.21 水曜日

1. 概 要

国外事業者から受けた事業者向け電気通信利用役務の提供(特定仕入れ)に係る消費税の内外判定基準について、内国法人の国外支店が国外事業者から受ける電気通信利用役務の提供について、実質的に国外で役務提供を受けているにもかかわらず、消費税の課税対象とされることに対する事務負担に配慮する観点から、次のように見直しが行われました。これにより、内国法人の国外支店や外国法人の国内支店といったように、支店において受ける事業者向け電気通信利用役務の提供に係る内外判定が変わることがありますので注意が必要です。 なお、上記以外の内外判定基準については従前のとおりとなっております。

 

特定仕入を行う事業者  

改正前

改正後

国内事業者  

事業者向け電気通信利用役務の提供を受けた事業者の住所又は居所又は本店若しくは主たる事務所の所在地  国内事業者が国外事業所等※で受ける事業者向け電気通信利用役務の提供のうち、国内以外の地域において行う資産の譲渡等にのみ要するものである場合は、国外取引とする。

国外事業者

国外事業者が恒久的施設※で受ける事業者向け電気通信利用役務の提供のうち、国内において行う資産の譲渡等に要するものである場合は、国内取引とする。

*所得税法又は法人税法上の国外事業所得又は恒久的施設をいう。

また、これに関して消費税法基本通達において次のように詳細が示されました。

 

①国外事業者の恒久的施設で行う特定仕入れに係る内外判定(消費税法基本通達5-7-15の3)

国外事業者の恒久的施設で行う特定仕入れ(他の者から受けた事業者向け電気通信利用役務の提供に該当するものに限る。以下②において同じ。)について、当該特定仕入れが国内において行う資産の譲渡等及び国内以外の地域において行う資産の譲渡等に共通して要するものである場合には、国内において行われたものに該当するのであるから留意する。

 

② 国内事業者の国外事業所等で行う特定仕入れに係る内外判定(消費税法基本通達5-7-15の4)

事業者(国外事業者を除く。)の国外事業所等で行う特定仕入れが国内において行われたかどうかの判定は、当該特定仕入れを行った日の状況により行うのであるから、当該特定仕入れを行った日において、国内以外の地域において行う資産の譲渡等にのみ要するものであることが明らかなもののみが国外取引に該当することに留意する。

2. 適用開始時期

平成29年1月1日以後に事業者が行う特定仕入れから適用されます。

 

上記内容は、平成28年9月21日現在の法令に基づき解説しております。


高額特定資産を取得した場合の中小事業者に対する特例措置の適用関係の見直し

2016.06.06 月曜日

1.概要

   事業者が事業者免税点制度及び簡易課税制度の適用を受けない課税期間中に高額特定資産(※)の仕入れ等を行った場合には、当該高額特定資産の仕入れ等の日の属する課税期間の翌課税期間から、当該高額特定資産の仕入れ等の日の属する課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間においては、事業者免税点制度及び簡易課税制度を適用しないこととされました。

   また、自己建設高額特定資産(※)については、当該自己建設高額特定資産の建設等に要した仕入れ等の支払対価の額(事業者免税点制度及び簡易課税制度の適用を受けない課税期間において行った原材料費及び経費に係るものに限り、消費税に相当する額を除きます。)の累計額が1,000万円以上となった日の属する課税期間の翌課税期間から、当該建設等が完了した日の属する課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間においては、事業者免税点制度及び簡易課税制度を適用しないこととされました。

 

※ 高額特定資産の範囲

   高額特定資産とは、次に掲げる棚卸資産及び調整対象固定資産(以下「対象資産」といいます。)の区分に応じた金額が1,000万円以上のものをいいます。

 

① 対象資産(自己建設資産を除きます。)
   対象資産の一の取引の単位(通常一組又は一式をもって取引の単位とされるものにあっては、一組又は一式)に係る課税仕入れに係る支払対価の額の108分の100に相当する金額、特定課税仕入れに係る支払対価の額又は保税地域から引き取られる当該対象資産の課税標準である金額

 

② 自己建設資産(対象資産のうち、他の者との契約に基づき、又は事業者の棚卸資産若しくは調整対象固定資産として自ら建設等をしたものをいいます。)

   当該自己建設資産の建設等に要した課税仕入れに係る支払対価の額の108分の100に相当する金額、特定課税仕入れに係る支払対価の額及び保税地域から引き取られる課税貨物の課税標準である金額(当該自己建設資産の建設等のために要した原材料費及び経費に係るものに限り、当該建設等を行った事業者が事業者免税点制度により消費税を納める義務が免除されることとなる課税期間又は簡易課税制度の適用を受ける課税期間中に国内において行った課税仕入れ及び保税地域から引き取った課税貨物に係るものを除きます。)の合計額

 

2.適用開始時期

   平成28年4月1日以後に高額特定資産の仕入れ等を行った場合に適用されます。

 

3.経過措置

   平成27年12月31日までに締結した契約に基づき、平成28年4月1日以後に高額特定資産の仕入れ等を行った場合には、上記規定は適用されません。

 

   上記内容は、平成28年6月6日現在の法令に基づき解説をしております。


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