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法人税

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カテゴリーアーカイブ: 法人税

法人税法における所得拡大促進税制の改正について

2017.10.02 月曜日

1.改正前の制度の概要

青色申告書を提出する法人が、平成25年4月1日から平成30年3月31日までの間に開始する各事業年度において国内雇用者(注1)に対して給与等を支給する場合において、その法人の雇用者給与等支給増加額(雇用者給与等支給額(注2)から基準雇用者給与等支給額(注3)を控除した金額)の基準雇用者給与等支給額に対する割合が増加促進割合(注4)以上である場合において、次の①及び②の要件を満たすときは、その事業年度の所得に対する法人税額からその雇用者給与等支給増加額の10%の特別税額控除{法人税額の10%(中小企業者等は20%)を限度とします。}ができることとされています。

① 雇用者給与等支給額が比較雇用者給与等支給額(注5)以上であること。

② 平均給与等支給額(注6)が比較平均給与等支給額(注7)を超えること。

(注1)国内雇用者とは、法人の使用人(その役員の特殊関係者及び使用人兼務役員を除く。)のうち国内事業所に勤務する雇用者をいいます。

(注2)雇用者給与等支給額とは、適用年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される国内雇用者に対する給与等の支給額をいいます。

(注3)基準雇用者給与等支給額とは、平成25年4月1日以後に開始する各事業年度のうち最も古い事業年度開始の日の前日を含む事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される国内雇用者に対する給与等支給額をいいます。

(注4)増加促進割合とは、次の適用年度の区分に応じそれぞれ次の割合をいいます。

①  平成27年4 月1 日前に開始する適用年度 2%

②  平成27年4 月1 日から平成28年3 月31日までの間に開始する適用年度 3%

③  平成28年4 月1 日から平成29年3 月31日までの間に開始する適用年度 4%
(その法人が中小企業者等である場合には3%)

④  ①から③まで以外の適用年度 5%(その法人が中小企業者等である場合には3%)

(注5)比較雇用者給与等支給額とは、適用年度開始の日の前日を含む事業年度(以下「前事業年度」といいます。)の所得の金額の計算上損金の額に算入される国内雇用者に対する給与等の支給額をいいます。

(注6)平均給与等支給額とは、適用年度の継続雇用者に対する給与等の支給額をこれに係る給与等支給者数で除して計算した金額をいい、継続雇用者とは、適用年度及び前事業年度において、給与等の支給を受けた国内雇用者をいいます。

(注7)比較平均給与等支給額とは、前事業年度の継続雇用者に対する給与等の支給額をこれに係る給与等支給者数で除して計算した金額をいいます。

(注8)中小企業者等とは、租税特別措置法第42条の4第3項に規定する中小企業者又は農業協同組合等をいいます。

 

2.改正の内容

企業収益の拡大を雇用の増加や賃金上昇につなげることにより経済の「好循環」を強化するとの観点から、企業に更なる賃金引上げを行うインセンティブを強化するため所得拡大促進税制について次の見直しが行われました。

① 中小企業者等以外の法人

中小企業者等以外の法人について、上記1.②の平均給与等支給額に係る要件が、平均給与等支給額から比較平均給与等支給額を控除した金額のその比較平均給与等支給額に対する割合が2%以上であること(改正前:平均給与等支給額が比較平均給与等支給額を超えること)に見直されるとともに、控除税額が、雇用者給与等支給増加額の10%と雇用者給与等支給増加額のうち雇用者給与等支給額から比較雇用者給与等支給額を控除した金額に達するまでの金額の2%との合計額(改正前:雇用者給与等支給増加額の10%)とされました。

② 中小企業者等

中小企業者等について、平均給与等支給額から比較平均給与等支給額を控除した金額のその比較平均給与等支給額に対する割合が2%以上である場合における控除額が、雇用者給与等支給増加額の10%と雇用者給与等支給増加額のうち雇用者給与等支給額から比較雇用者給与等支給額を控除した金額に達するまでの金額の12%との合計額(改正前:雇用者給与等支給増加額の10%)とされました。
上記の要件を満たさない中小企業者等にあっては、控除限度額はこれまでどおり雇用者給与等支給増加額の10%相当額となります。


雇用促進税制と所得拡大促進税制の重複適用について

2017.01.06 金曜日

1.概要

   平成28年度税制改正により、雇用促進税制と所得拡大促進税制の重複適用が可能となりました。

   これに伴い、雇用促進税制の対象となる雇用者の範囲が縮減され、重複適用をする場合の所得拡大促進税制における税額控除額の算出方法が改正されました。

 

2.雇用促進税制の対象となる雇用者の範囲の縮減

   対象となる雇用者が、地域雇用開発促進法の同意雇用開発促進地域内(参考)にある事業所における、無期雇用かつフルタイム雇用者の増加数に限定されました。

 

【参考】厚生労働省ホームページ
   「同意雇用開発促進地域一覧

 

3.雇用促進税制と重複適用する場合の所得拡大促進税制における税額控除額の算出方法(適用初年度に限ります。)

   下記の計算式となります。

 

   {雇用者給与等支給増加額-雇用者給与等支給額/雇用者の数×(A+B)×30/100}×10%

 

A:特定地域基準雇用者数

 特定地域基準雇用者数とは、雇用促進税制の対象となる地域雇用開発促進法の同意雇用開発促進地域内にある事業所における、無期雇用かつフルタイム雇用者の増加数をいいます。

 

B:地方事業所基準雇用者数

 地方事業所基準雇用者数とは、地方拠点強化税制のうち雇用促進税制の対象となる認定地方活力向上地域特定業務施設整備計画に従って地方活力向上地域において整備した特定業務施設のみをその法人の事業所とみなした場合における雇用者の増加数として証明がされた数をいいます。

 

 ただし、その税額控除限度額がその事業年度の法人税額の10%(中小企業者等については20%)相当額を超える場合には、その相当額が限度となります。

 

4.注意点

 (イ)雇用促進税制を適用を受ける場合には、適用事業年度開始後2か月以内に公共職業安定所に雇用促進計画の提出を行い、適用事業年度終了後2か月以内に都道府県労働局又は公共職業安定所で計画の達成状況についての確認を受け、その際交付される雇用促進計画の達成状況を確認した旨の書類の写しが必要になるため、事業年度開始から2月以内に上記の手続きをする必要があります。

 

 (ロ)雇用促進税制と所得拡大促進税制の重複適用は任意選択であり、重複適用を受けない場合のほうが有利になるケースもあります。

 例えば、経験者を多く採用した場合など増加雇用者の初年度の年収が高い場合には、所得拡大促進税制のみを適用した場合のほうが有利になるケースもあるため、申告においては重複適用した場合としない場合の両方をご検討ください。

 

上記内容は、平成29年1月6日現在の法令に基づき解説しております。


中小企業者等の少額減価償却資産の損金算入特例の改正

2016.11.01 火曜日

1. 概 要

中小企業者等の少額減価償却資産(注1)の取得価額の損金算入の特例の適用期限が平成30年3月31日まで2年延長されるとともに、平成28年4月1日以後に取得等をする少額減価償却資産ついては適用対象となる中小企業者等に従業員基準が追加されました

(注1) 少額減価償却資産とは、取得価額が30万円未満である減価償却資産で一定のものをいいます。

 

2. 適用対象法人
この特例の対象となる法人は、青色申告法人である中小企業者又は農業協同組合等で、常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人に限られます。
なお、中小企業者とは、次に掲げる法人をいいます。
(1) 資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人のうち、次の①、②のいずれにも該当していないもの。
①常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人及び同一の大規模法人(資本金の額若しくは出資金の額が1億円を超える法人又は資本若しくは出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人をいい、中小企業投資育成株式会社を除きます。以下②において同じ。)に発行済株式又は出資の総数又は総額の2分の1以上を所有されている法人。
②2以上の大規模法人に発行済株式又は出資の総数又は総額の3分の2以上を所有されている法人。
(2) 資本又は出資を有しない法人のうち、常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人

 

3. 資本金基準及び従業員基準の判定
中小企業者等の少額減価償却資産の特例の適用要件である資本金基準の判定の時期は、少額減価償却資産の取得日及び事業供用日の資本金の額となりますが、従業員基準の判定の時期は、取得日及び事業供用日又は事業年度終了の日の常時使用する従業員の総数となります。
改正後の適用対象法人及び判定の時期

 

資本基準

従業員基準

 適用対象法人 資本金1億円以下の法人(大規模法人に支配されている一定の法人を除きます。) 常時使用する従業員の数(注2)が1,000人以下の法人
 判定の時期  取得日及び事業供用日 取得日及び事業供用日又は

事業年度終了日

(注2)常時使用する従業員には、正社員、パート、アルバイトを含み、役員を除きます。

 

4. 連結納税制度との関係
連結納税制度においても。上記と同様の取扱いとなります(租税特別措置法第68条の102の2、同施行令第39条の124)。

 

上記内容は、平成28年11月1日現在の法令に基づき解説しております。


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