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カテゴリーアーカイブ: 法人税

雇用促進税制と所得拡大促進税制の重複適用について

2017.01.06 金曜日

1.概要

   平成28年度税制改正により、雇用促進税制と所得拡大促進税制の重複適用が可能となりました。

   これに伴い、雇用促進税制の対象となる雇用者の範囲が縮減され、重複適用をする場合の所得拡大促進税制における税額控除額の算出方法が改正されました。

 

2.雇用促進税制の対象となる雇用者の範囲の縮減

   対象となる雇用者が、地域雇用開発促進法の同意雇用開発促進地域内(参考)にある事業所における、無期雇用かつフルタイム雇用者の増加数に限定されました。

 

【参考】厚生労働省ホームページ
   「同意雇用開発促進地域一覧

 

3.雇用促進税制と重複適用する場合の所得拡大促進税制における税額控除額の算出方法(適用初年度に限ります。)

   下記の計算式となります。

 

   {雇用者給与等支給増加額-雇用者給与等支給額/雇用者の数×(A+B)×30/100}×10%

 

A:特定地域基準雇用者数

 特定地域基準雇用者数とは、雇用促進税制の対象となる地域雇用開発促進法の同意雇用開発促進地域内にある事業所における、無期雇用かつフルタイム雇用者の増加数をいいます。

 

B:地方事業所基準雇用者数

 地方事業所基準雇用者数とは、地方拠点強化税制のうち雇用促進税制の対象となる認定地方活力向上地域特定業務施設整備計画に従って地方活力向上地域において整備した特定業務施設のみをその法人の事業所とみなした場合における雇用者の増加数として証明がされた数をいいます。

 

 ただし、その税額控除限度額がその事業年度の法人税額の10%(中小企業者等については20%)相当額を超える場合には、その相当額が限度となります。

 

4.注意点

 (イ)雇用促進税制を適用を受ける場合には、適用事業年度開始後2か月以内に公共職業安定所に雇用促進計画の提出を行い、適用事業年度終了後2か月以内に都道府県労働局又は公共職業安定所で計画の達成状況についての確認を受け、その際交付される雇用促進計画の達成状況を確認した旨の書類の写しが必要になるため、事業年度開始から2月以内に上記の手続きをする必要があります。

 

 (ロ)雇用促進税制と所得拡大促進税制の重複適用は任意選択であり、重複適用を受けない場合のほうが有利になるケースもあります。

 例えば、経験者を多く採用した場合など増加雇用者の初年度の年収が高い場合には、所得拡大促進税制のみを適用した場合のほうが有利になるケースもあるため、申告においては重複適用した場合としない場合の両方をご検討ください。

 

上記内容は、平成29年1月6日現在の法令に基づき解説しております。


中小企業者等の少額減価償却資産の損金算入特例の改正

2016.11.01 火曜日

1. 概 要

中小企業者等の少額減価償却資産(注1)の取得価額の損金算入の特例の適用期限が平成30年3月31日まで2年延長されるとともに、平成28年4月1日以後に取得等をする少額減価償却資産ついては適用対象となる中小企業者等に従業員基準が追加されました

(注1) 少額減価償却資産とは、取得価額が30万円未満である減価償却資産で一定のものをいいます。

 

2. 適用対象法人
この特例の対象となる法人は、青色申告法人である中小企業者又は農業協同組合等で、常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人に限られます。
なお、中小企業者とは、次に掲げる法人をいいます。
(1) 資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人のうち、次の①、②のいずれにも該当していないもの。
①常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人及び同一の大規模法人(資本金の額若しくは出資金の額が1億円を超える法人又は資本若しくは出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人をいい、中小企業投資育成株式会社を除きます。以下②において同じ。)に発行済株式又は出資の総数又は総額の2分の1以上を所有されている法人。
②2以上の大規模法人に発行済株式又は出資の総数又は総額の3分の2以上を所有されている法人。
(2) 資本又は出資を有しない法人のうち、常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人

 

3. 資本金基準及び従業員基準の判定
中小企業者等の少額減価償却資産の特例の適用要件である資本金基準の判定の時期は、少額減価償却資産の取得日及び事業供用日の資本金の額となりますが、従業員基準の判定の時期は、取得日及び事業供用日又は事業年度終了の日の常時使用する従業員の総数となります。
改正後の適用対象法人及び判定の時期

 

資本基準

従業員基準

 適用対象法人 資本金1億円以下の法人(大規模法人に支配されている一定の法人を除きます。) 常時使用する従業員の数(注2)が1,000人以下の法人
 判定の時期  取得日及び事業供用日 取得日及び事業供用日又は

事業年度終了日

(注2)常時使用する従業員には、正社員、パート、アルバイトを含み、役員を除きます。

 

4. 連結納税制度との関係
連結納税制度においても。上記と同様の取扱いとなります(租税特別措置法第68条の102の2、同施行令第39条の124)。

 

上記内容は、平成28年11月1日現在の法令に基づき解説しております。


譲渡制限付株式を対価とする費用の帰属事業年度の特例制度の創設等

2016.08.30 火曜日

1. 内 容

   内国法人が個人から役務の提供を受ける場合において、その役務の提供に係る費用の額につきその対価としてその法人又はその法人との間に一定の関係がある法人の特定譲渡制限付株式が交付されたとき(承継譲渡制限付株式が交付されたときを含みます。)は、その個人においてその役務の提供につき所得税法その他所得税に関する法令の規定によりその個人の給与所得その他の一定の所得の金額に係る収入金額とすべき金額又は総収入金額に算入すべき金額を生ずべき事由(以下「給与等課税事由」といいます。)が生じた日においてその役務の提供を受けたものとして、法人税法の規定を適用することとされました。

   ただし、その個人においてその役務の提供につき給与等課税事由が生じないときは、その役務の提供を受ける法人のその役務の提供を受けたことによる費用の額又はその役務の全部若しくは一部の提供を受けられなかったことによる損失の額は、損金の額に算入されません。

 

⑴ 適用対象となる特定譲渡制限付株式

   適用対象となる特定譲渡制限付株式とは、その法人又はその法人との間に一定の関係(注1)がある法人の譲渡制限付株式(注2)であって、その役務の提供の対価としてその個人に生ずる債権の給付と引換えにその個人に交付されるものその他その個人に給付されることに伴ってその債権が消滅する場合のその譲渡制限付株式をいいます。

 

(注1) 一定の関係とは、譲渡制限付株式の交付の直前にその役務の提供を受ける法人と他の法人との間に他の法人がその役務の提供を受ける法人の発行済株式又は出資の全部を保有する関係があり、かつ、その交付の時からその譲渡制限付株式に係る譲渡制限期間((注2)イ参照)終了の時までその関係が継続することが見込まれている場合におけるその関係をいいます。

 

(注2) 譲渡制限付株式とは、次の要件に該当する株式をいいます。

イ 譲渡(担保権の設定その他の処分を含みます。)についての制限がされており、かつ、その譲渡についての制限に係る期間(譲渡制限期間といいます。以下同じです。)が設けられていること。

ロ 個人から役務の提供を受ける内国法人又はその株式を発行し、若しくはその個人に交付した法人がその株式を無償で取得することとなる一定の事由(*)が定められていること。

 

(*) 一定の事由とは、次の事由に限ります。

(イ) その株式の交付を受けた個人が譲渡制限期間内の所定の期間勤務を継続しないこと又はその個人の勤務実績が良好でないことその他のその個人の勤務の状況に基づく事由

(ロ) 上記(注2)ロに掲げる法人の業績があらかじめ定めた基準に達しないことその他のこれらの法人の業績その他の指標の状況に基づく事由

 

⑵ 適用対象となる承継譲渡制限付株式

   適用対象となる承継譲渡制限付株式とは、合併によりその合併に係る被合併法人の特定譲渡制限付株式を有する者に対し交付されるその合併に係る合併法人の譲渡制限付株式その他の一定の譲渡制限付株式をいいます。

 

⑶ 給与所得その他の一定の所得

   給与所得その他の一定の所得とは、所得税法に規定する給与所得、事業所得、退職所得及び雑所得をいいます。

 

2. 添付書類

   個人から役務の提供を受ける内国法人は、特定譲渡制限付株式の一株当たりの交付の時の価額、交付数、その事業年度において譲渡についての制限が解除された数その他その特定譲渡制限付株式又は承継譲渡制限付株式の状況に関する明細書を当該事業年度の確定申告書に添付する必要があります。

 

3. 届出要件を不要とする事前確定届出給与の追加

   内国法人がその役員に対して支給する給与のうち事前確定届出給与について、特定譲渡制限付株式(注1)及びその特定譲渡制限付株式に係る承継譲渡制限付株式による給与は、納税地の所轄税務署長への届出が不要となりました。

 

(注1) 特定譲渡制限付株式のうち、役員の職務につき株主総会等の決議(その職務の執行の開始の日から1月を経過する日までにされるものに限ります。)により所定の時期に確定額を支給する旨の定め(その決議の日から1月を経過する日までに、その職務につきその役員に生ずる債権の額に相当する特定譲渡制限付株式を交付する旨の定めに限ります。)をした場合におけるその定めに基づいて交付されるものに限ります。

 

4. 適用時期

   平成28年4月1日以後にその交付に係る決議(その決議が行われない場合には、その交付)をする特定譲渡制限付株式及び承継譲渡制限付株式について適用されます。

   また、事前確定届出給与については平成28年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税について適用されます。

 

上記内容は、平成28年8月30日現在の法令に基づき解説しております。


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