アーク税理士法人 トップページ
その他

アーク税理士法人からのタックストピックス

カテゴリーアーカイブ: その他

役員給与の業績連動給与に関する改正について

2017.11.24 金曜日

役員給与のうち損金算入が認められるものとして業績連動給与があります。利益を基礎として算定される業績連動型の役員給与は、算定手続等の透明性・適正性が確保された一定の要件を満たす業績連動給与に該当する場合に損金算入が可能となります。

 

1.平成29年度税制改正

平成29年度税制改正前においては、「利益の状況を示す指標」に基づき支給額が算定される給与について「利益連動給与」と定義のうえ、損金算入の要件が定められていましたが、税制改正において、「業績連動給与」と名称が変更されるとともに指標の選択肢および対象法人の範囲が拡大されるなど、従前に比べて業績に連動して支給される役員給与が拡充されました。

 

2.制度概要

⑴ 対象法人の範囲

改正前は非同族会社のみが対象法人とされていましたが、「非同族会社とその完全支配関係にある法人」が対象範囲になったことにより、例えば、同族会社であっても100%支配関係にある親法人が非同族会社であれば認められることとなりました。

 

⑵ 支給対象資産

他の業務執行役員に対して支給する業績連動給与に係る算定方法と同様の給与が対象となります。改正前は、金銭による給与の確定額を限度としていましたが、株式又は新株予約権によるものについても確定数を限度として対象資産となりました。

 

⑶ 支給の算定指標

業績連動給与の算定方法は以下の指標を基礎とした客観的なものである必要があります。

① 職務執行開始日以後終了事業年度の利益指標(有価証券報告書に記載されるものに限る)

② 職務執行開始日事業年度開始日以後の所定の期間、所定日における株価指標(当該法人又は当該法人との間に完全支配関係がある法人の株価指標に限る)

③ 職務執行開始日以後終了事業年度の売上等指標(上記の①,②と同時に用いられるもので有価証券報告書に記載されるものに限る)

以前は一事業年度における指標の数値のみ用いることが認められていましたが、改正により、複数事業年度における指標の数値を用いることが可能となりました。

 

⑷ 手続

職務執行期間の日の属する会計期間開始の日から3月を経過する日までに、以下の区分ごとにそれぞれの手続きが必要となります。

 非同族会社

ⅰ報酬委員会での決定

ⅱ株主総会決議

ⅲ報酬諮問委員会に対する諮問その他の手続を経た取締役会の決議

ⅳ監査役会設置会社の取締役会の決議

ⅴ監査等委員会設置会社の取締役会の決議

 同族会社

完全支配関係法人(同族会社でなく当該同族会社との間に完全支配関係がある法人)の上記ⅰ、ⅲの決定により行われる、当該同族会社の株主総会又は取締役会の決議による決定、及びそれらに準ずる手続き

 

 支給又は交付時期

以下の日までに交付され、又は交付される見込みの給与である必要があります。

① 金銭によるもの

当該金銭の額の算定の基礎とした業績連動指標の数値が確定した日の翌日から1月を経過する日

② 株式又は新株予約権によるもの(特定新株予約権*を除く)

当該株式又は新株予約権の数の算定の基礎とした業績連動指標の数値が確定した日の翌日から2月を経過する日

③ 特定新株予約権

交付決定の手続きの終了の日の翌日から1月を経過する日

 

* 譲渡制限付新株予約権で、新株予約権と引き換えにする払込みに代えて債権が相殺されたり、新株予約権が実質的に役務提供の対価と認められるもの

 

⑹ 損金経理

損金経理(引当金勘定に繰り入れた金額を取り崩す方法により経理している場合を含む)をしていることが要件となります。

 

⑺ 適用時期

業績連動給与についての改正は、201741日以後に支給又は交付に係る決議(その決議がない場合には、その支給又は交付)をする給与について適用されます(退職給与、譲渡制限付株式による給与、新株予約権に係る給与を除く)。

 

 


取引相場のない株式の評価の見直し(類似業種比準方式)

2017.11.24 金曜日

 

1. 概要

株価の急激な変動や、上場会社のグローバル連結経営の進展により、中小企業の円滑な事業承継が阻害されないよう、また中小企業等の実力を適切に反映した評価となるよう非上場株式の評価方法の一つである類似業種比準方式の見直しが行われました。

類似業種比準方式とは、評価対象の会社とその類似業種における1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額を比準要素として、類似業種の株価を基に、その評価会社の株式の評価額を算定する方法です。

 

・改正前の類似業種比準方式

A×[(b/B+/C×3+/D/5]×[大会社0.7または中会社0.6または小会社0.5

 

A…類似業種の株価

b・c・d…評価会社の1株あたりの配当・利益・簿価純資産

BCD…上場企業の業種別の一株当たりの配当・利益・簿価純資産

 

2. 改正の内容

(1) 類似業種の上場会社の株価について、課税時期の属する月以前3か月間の各月の類似業種の株価のうち最も低いものと類似業種の前年平均株価との選択に加え、課税時期の属する月以前2年間の平均株価も選択できるようになりました。(評価通達182

(2) 類似業種の上場会社の配当金額、利益金額及び簿価純資産価額について、連結決算を反映させたものとされました。(評価通達183-2

(3)  配当金額、利益金額及び簿価純資産価額の比重について、改正前131から、111とされました。(評価通達180

(4)  評価会社の規模区分の金額等の基準について見直しを行い、大会社及び中会社の適用範囲が拡大されました。(評価通達178

 

・改正後の類似業種比準方式(評価通達180

A×[(b/B+/C+/D/3]×[大会社0.7または中会社0.6または小会社0.5

 

A…類似業種の株価

b・c・d…評価会社の1株あたりの配当・利益・簿価純資産

BCD…上場企業の業種別の一株当たりの配当・利益・簿価純資産

 

 

3. 改正の影響

改正後は利益が株価に与える影響は少なくなりますが、配当を行う会社が少ないことを前提とすると簿価純資産が株価に与える影響が大きくなります。

また、大、中、小会社の判定においては、改正後は大、中会社に該当しやすくなるため、類似業種比準方式による評価割合が増加します。

 

4. 適用時期

上記の改正は平成2911日以後の相続・遺贈・贈与により取得した取引相場のない株式等の評価に適用されます。

 


仮想通貨の譲渡に係る課税関係の見直し

2017.10.04 水曜日

1. 概要

資金決済に関する法律の改正により仮想通貨が支払の手段として位置づけられることや、諸外国における課税関係等を踏まえ、仮想通貨の取引について、消費税を非課税とする改正が行われました。

また、仮想通貨の譲渡については、その性格に鑑み、法定通貨等の支払手段と同様に、課税売上割合の計算に含めないこととされました。

代表的な仮装通貨の例としてビットコインなどがあります。

 

2. 仮装通貨の定義

(1) 物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの

(2) 不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの

 

3. 適用にあたっての注意点

上記改正は、平成2971 日(以下「施行日」といいます。)以後に国内において事業者が行う資産の譲渡等及び課税仕入れについて適用され、施行日前に国内において事業者が行った資産の譲渡等及び課税仕入れについては、なお従前の例によることとされています(改正消令附則 2)。ただし、施行日前に仮想通貨を駆け込みで仕入れることが行われ、仮想通貨の市場に大きな影響を及ぼすことを回避する観点から、

() 施行日の前日に100万円以上(税抜き)の仮想通貨を有している。

() 施行日前1 月間の平均保有数量に比べ、施行日前日の保有数量が増加している。

上記二要件を両方満たす場合には、当該増加分の課税仕入れに係る消費税額については、仕入税額控除を認めないとする経過措置が設けられています(改正消令附則 8 )。

 

上記内容は、平成29920日現在の法令に基づき解説しております。

 


タックストピックスの新着記事はこちら



ページトップ